NVIDIA GeForce RTX 5090及びRTX 5080は深刻な供給不足で発売後3ヶ月は混乱が予想される

2025年1月23日

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NVIDIAの次世代フラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」および「RTX 5080」が1月30日に発売を迎えるが、深刻な供給不足により、発売から最大3ヶ月程度は入手困難な状況が続く可能性が高まっている。世界各地の小売店が独自の販売制限を設ける中、一部地域では定価の2倍までの価格高騰も予測されている。

RTX 50シリーズ供給不足の背景

NVIDIAの次世代GPU「Blackwell」アーキテクチャを採用するRTX 50シリーズが直面している供給不足問題は、複雑な要因が重なり合って発生しているようだ。最も重要な要因として指摘されているのが、NVIDIAとAIBパートナー（グラフィックボードメーカー）間のコミュニケーション問題だ。特に致命的だったのは、製品製造に不可欠なBIOSの最終版の配布が2024年末まで遅延したことである。この遅れにより、ASUSやGIGABYTE、MSIなどの主要メーカーは製品の量産開始が大幅に後ろ倒しとなり、発売日までに十分な在庫を確保することができない状況に追い込まれた。

さらに、この時期特有の問題として、中国の春節（旧正月）の影響も深刻だ。春節期間中は中国国内の工場の多くが操業を停止するため、製造ラインの稼働率が大幅に低下する。グラフィックボードの製造に必要な部品の多くが中国で生産されていることを考えると、この影響は無視できない。Benchlifeの分析によれば、この生産停滞は2月中旬以降、徐々に改善される見通しだが、すでに発生している供給の遅れを取り戻すまでには相当の時間を要すると予測されている。

韓国のZOTACが公式に発表した声明からも、この供給不足の深刻さが伺える。同社は当初予定されていた1月30日の発売日に十分な在庫を確保できない見通しを明らかにし、実際の販売開始が2月上旬から中旬にずれ込む可能性を示唆している。これは一企業の問題というよりも、業界全体が直面している構造的な課題を象徴するものといえる。

市場関係者からの報告によれば、この供給不足は特にハイエンドモデルであるRTX 5090で顕著になる見込みだ。PowerGPUは自社のソーシャルメディアで、「RTX 5090の発売は入手可能性の面で最悪の状況になる」と警告し、この状況が最初の3ヶ月間続く可能性を指摘している。この予測は、複数の業界関係者によって裏付けられており、供給不足が一時的な問題ではなく、中期的な課題となることを示唆している。

このような状況を受けて、NVIDIAは供給体制の立て直しを急いでいるものの、製造から流通までのサプライチェーン全体に及ぶ問題の解決には時間を要する見通しだ。特に、高性能なGPUチップの製造には高度な製造プロセスと厳密な品質管理が必要とされるため、生産量の急激な増加は困難とされている。

世界各地での対応策と価格高騰の懸念

各地域での販売規制

供給不足に対応するため、世界各地の小売店が独自の販売制限を導入している。

フランスの大手販売店LDLCは、RTX 5090とRTX 5080について、1アカウントにつき1枚までの購入制限を実施。より厳格な対応として、台湾のAutoBuyは、RTX 5080の優先購入権を得るための条件として、Intel Core Ultra 200Sプロセッサ、Z890マザーボード、DDR5メモリ、SSD、850W以上の電源、PCケース、Windowsライセンスの同時購入を義務付けている。