NVIDIAの現行モデルである一部ハイエンドGPUが供給不足に陥る可能性が浮上した。新たな情報によれば、8月にも始まるとされるこの供給制限は、主にRTX 4070からRTX 4090までのモデルに影響を与える見込みだ。この供給制限については、新モデルの発売に向けた在庫調整ではとの見方や、GDDR6Xメモリの供給不足などが囁かれている。
AIチップ向けの製造設備シフトや次世代モデルのための在庫調整、メモリ不足など様々な理由が挙げられる
経済日報の報道によれば、2024年第1四半期頃からNVIDIAのRTX 4060及び4060 Tiグラフィックボードが供給不足になった事が指摘されている。その後この供給不足問題はミッドエンドからハイエンドグラフィックボードにまで波及し、RTX 4070、RTX 4080、RTX 4090も7月以降に供給制限が起こる可能性があるとの事だ。NVIDIAからはボードパートナーに向けて、GPUの供給を大幅に制限するとの通知が発せられ、この削減量は30%から最大50%にも上るという。
経済日報はこの供給不足問題について、原因をより利益の見込めるAIチップの生産用にTSMCの製造ラインをシフトさせたことやNVIDIAの次世代RTX 5000シリーズの発売に向けた在庫調整なのではないかと指摘している。実際、NVIDIAは過去にも旧世代製品の在庫増加を抑止するために同様に在庫調整を行った事があったことからこうした憶測が生まれた。
これに対し、この供給不足の主な原因は、NVIDIAのGPUに使用されるGDDR6Xメモリモジュールの品質管理問題にあるとの情報も出ている。boardchannelsの投稿によれば、Micron製のGDDR6Xメモリの一部バッチが品質検査に不合格となり、交換が必要になったという。
この問題は、GDDR6Xメモリを搭載するすべてのグラフィックボードに影響を与える可能性のあるものだ。具体的に影響を受けるのは、RTX 4070からRTX 4090までの消費者向けGPUであり、今回経済日報によって供給が制限されると報じられているモデルだ。一方、AMDのRadeon RX 7000シリーズはGDDR6Xを使用していないため、今回の問題の影響を受けないとされる。
NVIDIAは、この状況に対応するため、中国市場において「需給バランス戦略」を採用していると伝えられている。しかし、この供給制約は一時的なものであり、「長期化しない」と予想されている。
現時点では、これらの情報は噂の域を出ず、確定的なものではない。しかし、市場への影響は既に現れ始めており、RTX 4060シリーズを含む一部のモデルで価格上昇が報告されている。この傾向は、RTX 4090、RTX 4080、RTX 4070といった上位モデルにも波及しつつあるという。
この状況が長期化するかどうかは不明だが、グラフィックボード市場の動向に注目が集まっている。消費者にとっては、購入を検討している場合、市場の変化に注意を払う必要がありそうだ。
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