今年後半から登場するAndroidスマートフォンのフラッグシップモデルには、QualcommのSnapdragon 8 Gen 4チップが搭載される事だろう。その性能は大きな向上が期待されているが、どうやら価格も大きな向上が見られ、これが一部のスマートフォン開発に悪影響を与えるかもしれない。
Snapdragon 8 Gen 4の大幅な値上げにより一部フラッグシップスマホが中止の可能性
信頼できるリーカーのDigital Chat Stationによると、Snapdragon 8 Gen 4(型番SM8750)に大幅な値上げが見られるとのことだ。具体的な値上げ幅については不明だが、この価格上昇はスマートフォンの価格上昇に繋がる可能性がある。
ディスプレイとチップセットはすでにスマートフォンの中で最も高価なコンポーネントだ。その、チップセットの値上げはスマートフォンの価格に大きく影響する。
OEMとしては、次の3つの選択肢があるだろう:
- 値上げ分を消費者に転嫁し、スマートフォンの価格を上げる。
- より安価なチップセット(Snapdragon 8s Gen 3のような)や昨年のチップを使用する。
- より安価な部品(ディスプレイ、カメラ、バッテリー)を使って製造コストを削減する。
Digital Chat Stationは、Snapdragon 8 Gen 4の価格上昇が非常に大きく、他のコンポーネントの価格を下げても、チップセットによる価格上昇を補えない可能性がある。
Digital Chat Stationは、一部のスマートフォンメーカーが、フラッグシップモデルを中止する可能性を示唆している。
この値上げは、QualcommのSnapdragon 8 Gen 4が、新しいカスタムCPUコア(Oryon)を採用する事、またTSMCの新たな3nmプロセスを利用するによるものと考えられる。Oryon CPUコアはQualcomm肝いりのもので、Windows PC向けのSnapdragon Xチップにも採用されており、iPhoneやiPad、Macに搭載されているAppleのAシリーズやMシリーズのチップの性能に匹敵すると言われている。これを利用する事で、Snapdragon 8 Gen 4は、これまでのSnapdragonチップと比べて性能が大幅に向上すると見られている。また、GPU性能もかなり高いようだ。
ただし、Snapdragon 8 Gen 3は前モデルと比較しておよそ25%高価になったと言われているが、その価格は実際には大きく影響を与えていない。Galaxy S24 Ultraは値上がりしたが、Galaxy S24とS24+は値上がりしなかった。また、OnePlus 12も値上げを見送った。
少なくとも今のところは、まだスマートフォン自体の価格は不透明であり、すぐに警鐘を鳴らすべきではないだろう。
また、Samsungの場合は、その巨大なサプライチェーンのおかげで、同社がチップの値上げをある程度吸収できる可能性もある。ただし、その場合、カメラやディスプレイなど他の仕様に大きな改善は見られないかもしれない。
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