本記事はVOLTME様から商品を提供いただき作成しております。
最近のiPhoneやGalaxy Sシリーズなどには充電器が同梱されなくなった事はご存じだろう。既にユーザーは充電器を持っていると言う認識の下、梱包を小さくし、輸送にかかる燃料を削減するという環境保護の観点から行われているが、中には実際には持っていないユーザーや壊れてしまって新しいものを買わないといけないというユーザーもいる事だろう。
では、そんな時にどんな充電器を買えばいいだろうか?まず見るべきは出力、そしてポートだ。出力は高ければ、それだけ多くの機器に使い回すことができる。そしてポートは今後の事を考えればUSB-Cであることが第一だろう。だが、大出力の充電器は概してサイズが大きな傾向があることも事実だ。
今回ご紹介する「VOLTME Revo 65 Evo」薄型充電器は、この2点をしっかり抑えた上で、半導体に窒化ガリウム(GaN)を採用したことで小型化もされており、更にいくつかのオススメできるポイントも抑えた中々優秀な製品だ。
目次
そもそも「VOLTME」とは
「VOLTME(ボルトミー)」というブランドについては、恐らくご存じのない方が多いだろう(筆者も恥ずかしながら今回お話を頂くまで認識していなかった)
VOLTMEは、中国・深センに本拠を置く、Voltnex Innovations Technology社の充電器ブランドだ。深センと言えば、中国のハイテク産業の本拠地であり、アメリカのシリコンバレーの様な存在と言える。
日本ではあまり馴染みのないVoltnex Innovations Technologyだが、充電器分野では20年の実績を持つ。これまでは複数の有名メーカーの下請けとして製造を行ってきたが、今回「VOLTME」として新たに独自ブランドを立ち上げ、充電デバイス分野に進出したわけだ。
同社のすべての製品は1,200日以上の研究開発、800時間以上の安全性テスト、300時間以上の環境テストを受けており、保証も最大で24か月が付いてくる。もちろんPSE認証も取得しており、日本国内での利用も問題ない。安心して利用が出来る。後は実際の性能だ。
予想以上に良い質感
パッケージは落ち着いた雰囲気で、エンボス加工が施してあり中々高級感のあるデザインだ。よくある激安中華メーカーとは全く違い、Anker等のイメージに近いだろう。
中身はこんな感じ。同梱物は以下の通りだ。
- Revo 65 Evo本体
- USB-C&USB-Cケーブル(1m)
- 取扱説明書
- 感謝カード
- 注意書き
中でも目を引くのが注意書きだ。これによると、最大出力で使用した場合はかなり高温になるので注意をしろと書かれている。中々不安をあおるものではあるが、逆に言えば親切と言えないでもない。ただし希望としてはそこまで高温にならずに安心して使えるデバイスにしてほしいものだが。とはいえ、一応法的な基準には則っているとも書かれている。
嬉しいのはUSB-C&USB-Cケーブルが同梱されていることだ。このケーブル、付属品によくある安っぽさがなく、太さがある程度あり、耐久性もありそうでポイントは高い。ケーブルはシリコン素材でさわり心地もよく、絡みにくい点も評価出来る。
ケーブルは付属ケーブルにしては端子部分もしっかりした作りだ。
本体はこちら。充電器と言えば、これまでコロンとした形状のものばかりを使っていたので、薄型のカードのような形状は中々新鮮だ。
また、プラグも折りたたみ式であることから、収納時は出っ張りがなく携帯性も高い。旅行時だけではなく、普段使いでも鞄に気にせず忍ばせておくことが出来る。
コンセントプラグ部分は少し出っ張っており、プラグを持ち上げやすくなる配慮がされている。
ただ、長細い形状はコンセントによっては干渉したり使いづらい部分があるかも知れない。
サイズは縦・横・厚さがそれぞれ9.3×6.5×2.45cmであり、クレジットカードより少し大きな程度だ。
わざわざ胸ポケットに入れることもないと思うが、そうした使い方もやりようによっては出来る。こうした小型化を実現したのが、VOLTMEの「GaN III」だ。
窒化ガリウム
スマートフォンやタブレットなど、バッテリーの大型化はデバイスの動作可能時間の向上に寄与しているが、反面、充電までの時間が長くかかる様になった事も確かだ。従来の10W程度の入力では何時間もかかることが目に見えていたため、スマートフォンメーカー各社は、特に中国勢を中心として急速充電に力を入れている。
近年では100Wという驚きの急速充電器も登場しているが、こうした大出力充電器は大型化してしまうのがデメリットでもあった。だがこの流れが近年は変わってきている。それを可能にしたのが、「窒化ガリウム(GaN)」を採用した半導体の登場だ。
窒化ガリウムとは、ガリウム(Ga)と窒素(N)の1:1の化合物である。これは次世代の半導体素材として期待されている物質であり、以下の特徴がある:
- 熱伝導率が大きく、放熱性に優れる
- 高速スイッチング・高温動作を実現
- 飽和電子速度(電子速度がピークになる値)が大きい
- 絶縁破壊電圧が高く、耐久性に優れる
VOLTMEは、同社のGANテクノロジーの3代目となる「GAN III」テクノロジー採用しているという。前世代のGAN IIを採用した製品については確認出来なかったが、AnkerがGan IIと呼ばれる第2世代のGaNテクノロジーを用いた製品を発表しているため、それよりも優れていると主張したいからなのではとも勘ぐってしまう。
何はともあれ、この窒化ガリウム半導体の採用により、VOLTME Revo 65 Evoは小型化されている。
発熱はやはりある
充電器として最も求められるのは充電性能だ。
公称65W出力が可能という事で、いくつかのデバイスで充電テストを行ってみた。
Pixel 8 Proだが、概ね20W前後で充電され余裕のある動作だったためか、VOLTME Revo 65 Evoの温度も高くはなかった。
次に、60W以上での入力が可能となるモバイルバッテリーにも充電してみた。56W前後での急速充電が行われており、公称値に近い事が確認出来る。
ただし、やはり注意書きの通り、発熱は見られた。スマートフォンの充電時はそれほどではなかったが、最大出力に近い場合は、実測では65℃前後の発熱があり、確かに触れるのが難しい温度であった。
知名度はまだまだ、だが製品自体は良い
Amazon等でも充電器で検索すると出てくる製品はやはりAnker製品が目に付くところだが、性能や価格、品質の良いUSB-Cケーブルが同梱される事を考えると悪くない選択肢だ。
1ポートしかないのが残念ではあるが、折りたたみ式のプラグはバッグに入れた際も邪魔にならないし、出力を考えるとMacBookなどのラップトップの充電器を純正と置き換えるものとして、オススメしたい。
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