先日、Geekbench BrowserでリークされたRyzen AI 9 HX 370 APUのベンチマークテスト結果は、Zen 5への移行による大きな性能向上を垣間見せる物だった。抑制された電源プランであるにもかかわらず、CPUスコアは20%の向上を見せていたが、このAPUの本来の性能を知るためにも、別の側面からのテスト結果が待たれるところ、新たにCPU-Zのベンチマークテストにエンジニアリング・サンプルの「Ryzen AI 9 HX 370」が登場し、その高度な性能をまたしても披露している。
Ryzen AI 9 HX 370はCPU-Zベンチマークテストでも前モデル比で大きな伸びを見せる
リークはBilibiliのQinhuai Dreamというコンテンツクリエーターによって行われ、動画の中で公開されている。Ryzen AI 9 HX 370が搭載されているのはASUS TUF Gaming A14のようだ。
結果は、シングルスレッド、及びマルチスレッドの結果が両方開示されており、これを元に既存のHawk Point等と比較が行えるようになっている。
VideoCardzは、前モデルの「Ryzen 9 7940HS」と、「Ryzen AI 9 HX 370」を比較した画像を掲載してくれている。これによると、Ryzen AI 9 HX 370はシングルスレッドスコアで798.6ポイント、マルチスレッドスコアで、8893.6ポイントを獲得している事が確認出来る。
比較すると、Ryzen 9 7940HSはシングルスレッドスコアが707.3、マルチスレッドスコアが7089.9ポイントと言う事で、新型Ryzen AI 9 HX 370のスコア向上幅はシングルスレッドスコアは13%、マルチスレッドスコアは25%の向上だ。
コードネーム「Strix Point」ことRyzen AI 9 HX 370はそもそもが、前「Hawk Point」ファミリーよりもコア数が多くなっている。Zen 5コア4つにZen 5Cコア8つの12コア24スレッド構成であり、最大5.1GHzのブーストクロックで動作し、36MBのキャッシュを搭載している。GPUも強化され、Radeon 890M iGPUには16のコンピュートユニット、つまり1024のコアがある。前のフラッグシップであるRyzen 9 8945HSと比較して、50%多いコア/スレッド、33.3%多いコンピュートユニットを搭載しているのだ。その上、AMD自身の言によれば、Zen 5自体のIPCは16%の向上が見られるという。そう考えると、今回のスコアの伸びも納得のいく物だ。
ただし、ベンチマークがエンジニアリングサンプルとTDPは不明な状態で行われたことには注意が必要だろう。Ryzen AI 9 HX 370は、TDPが15Wから54Wまでスケール可能であり、様々なデバイスに対応出来る。デフォルトは28Wだが、テストがASUS TUF Gaming A14というゲーマー向けノートPCで行われている事から、標準よりも高いTDPになっている可能性もありそうだ。
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