米国ミネソタ州で発見された巨大ヘリウム貯留層が、当初の予想を上回る規模であることが新たな地震探査データから明らかになった。この発見は、世界的なヘリウム不足に対する重要な解決策となる可能性があり、特にこの物質の需要が高い産業界や科学界から大きな注目を集めている。
莫大な量の埋蔵ヘリウムが世界の供給不足を解決する可能性
Pulsar Heliumが2024年7月9日に発表した最新の調査結果によると、同社が100%所有するTopazヘリウムプロジェクトサイトで実施された2D地震探査により、既存の掘削井Jetstream #1で確認されたヘリウム含有層と同じ深度に地震反射面が確認された。さらに、より深い位置にも類似した特性を持つ反射面が観測されたという。
Pulsar HeliumのThomas Abraham-James社長兼CEOは次のように述べている。「この2D地震データの受領を喜ばしく思います。これにより、TopazのJetstream #1評価井で遭遇したヘリウム含有帯が識別可能であり、さらに深部にも追加のガス含有帯が存在する可能性が高いことが示されました」。
最新の実験室試験では、貯留層のヘリウム濃度が8.7%から14.5%の間であることが判明した。これは以前の最大推定値である12.4%および13.8%を上回るものであり、業界が今まで見たことのない高い濃度である。商業的に成り立つヘリウム鉱床の濃度が0.3%以上とされていることを考えると、この数値の高さが際立つだろう。
さらに注目すべきは、このヘリウムが自然に地表に流れ出ることである。1日当たり最大821,000立方フィート(23,250立方メートル)の流量が確認されており、フラッキングなどの特殊な採掘技術を必要としない。
この発見は、ヘリウムの世界的な供給不足に対する重要な解決策となる可能性がある。ヘリウムは、ロケット、原子炉、MRI装置など、さまざまな先端技術に不可欠な冷却材として使用されているが、地球上では希少資源となっている。
Pulsar Heliumは今後、さらなる調査を進める予定だ。7月には20.4kmの長さの東西方向2D地震探査線の調査を開始し、Jetstream #1評価井からのステップアウト井の配置に活用する計画である。また、同月中にはSproule Internationalによる更新された資源量計算の発表も予定されている。
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