世界有数のゲーム開発プラットフォームであるUnity Technologiesは、2024年10月17日、最新バージョンとなる「Unity 6」を全世界でリリースした。Unity 6は、これまでで最も安定性が高く、パフォーマンスに優れたバージョンとされている。
Unity 6、世界規模で展開開始
開発者との緊密な連携のもと構築・テスト・改良を重ねたUnity 6は、従来よりも迅速かつ効率的に、より優れたゲームを制作することを可能にする。新機能には、マルチプレイヤーゲームの開発を加速させるエンドツーエンドのワークフロー、モバイルウェブを対象としたツール、そしてCPUからGPUへ処理を移行する新グラフィックス機能が含まれる。内部およびユーザーテストでは、CPU性能が最大4倍向上したという結果が報告されている。
Unity 6の主要な改善点には以下が含まれる:
- マルチプレイヤーワークフロー: 接続型ゲームの開発速度を向上
- モバイルウェブ対応ツール: 開発者のターゲット範囲を拡大
- グラフィックス処理の最適化: CPUからGPUへの処理移行によるパフォーマンス向上
特筆すべきは、GPUへの処理移行によるCPU性能の大幅な向上だ。これにより、CPU負荷の高いゲームの開発における制約が緩和される可能性がある。Unity独自の内部テストに基づくと、これによりCPU パフォーマンスが Unity 5の4倍に向上するとのことだ。
Stratton Studiosのマネージングディレクター、Josh Loveridge氏は次のように述べている。「Unity 6は、当社のグローバルな多機能チームに必要な安定性とスケーラビリティを提供します。性能向上に加え、新しいWebGPUグラフィックスAPIやシームレスなライブサービス統合などの機能により、ワークフローが大幅に効率化され、製品の品質が向上しました。PGA TOUR Riseの開発において、開発パイプラインの各段階で創造性の限界を押し広げることができました」。
開発者教育への取り組み
Unity 6の発表に合わせて、Unity Technologiesは全レベルの開発者向けの学習リソースも導入した。これらのリソースには以下が含まれる:
- Time Ghost: Unity 6の機能を紹介するUnity Originalsのリアルタイムシネマティックデモ
- Fantasy Kingdom: モバイル向けに最適化されたURPを使用したデモプロジェクトとアセット(非商用利用は無料)
- Megacity Metro: 100人以上のプレイヤーが参加可能なクロスプラットフォームマルチプレイヤーゲームのデモ
これらのデモは、環境構築、キャラクターデザイン、Entity Component System(ECS)を使用した環境の制御、機械学習を活用したリアルな布変形など、Unity 6の新機能を実践的に学ぶための優れた教材となっている。
開発者は、今日から Unity 6 と新しいチュートリアルを実際に試すことが可能だ。
Unity 6の展開と課題
Unity 6の発表は、同社にとって重要な転換点となる可能性がある。2023年9月に発表された新料金体系に対する開発者からの批判を受け、Unity Technologiesは信頼回復に向けて動き出している。
新CEOのMatt Bromberg氏は、「我々は開発者がより迅速かつ効率的にゲームを構築できるツールの提供に徹底的に注力しています。Unity 6が今後何年にもわたってゲーム開発の中心となるよう、あらゆる努力を惜しみません」と述べ、開発者コミュニティへの支援を強調した。
Unity Technologiesは、Unity 6のリリース後も長期的な製品開発およびエンジニアリングリソースを投入し、機能セットの強化と新機能の提供を継続的に行う方針を示している。これには、アップグレードの容易さと安定性の維持も含まれる。
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