良質な睡眠とは何か？睡眠にまつわる神話と現実

2024年10月8日

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良質な睡眠とはどのようなものだと想像するだろうか？

多くの人が、睡眠クリニックに治療を求めてやって来る際に、健康的な睡眠についての考えを共有する。

多くの人は、枕に頭をつけたら深くて回復力のある睡眠に落ち、約8時間後にリフレッシュした感覚で目覚めるべきだと考えている。彼らは多くの仲間がいる – 多くのオーストラリア人も同じ信念を持っている。

実際には、健康的な睡眠は夜を通じて周期的であり、異なる睡眠段階を行き来し、しばしば数回目覚める。一部の人はこれらの覚醒のうち1回以上を覚えているが、他の人は覚えていない。健康的な夜の睡眠がどのようなものかを考えてみよう。

睡眠サイクルはジェットコースターのようなもの

成人の場合、睡眠は夜間に異なるサイクルと短い覚醒を通じて移行する。睡眠サイクルはそれぞれ約90分続く。

通常、夜の始めは浅い睡眠から始まり、より深い睡眠段階に移行し、再び急速眼球運動（REM：レム）睡眠へと上昇する – レム睡眠は鮮明な夢と関連することが多い睡眠段階である。

よく眠れている場合、夜の前半に深い睡眠の大部分を取り、後半にレム睡眠がより一般的になる。

成人は通常、一晩に5〜6回の睡眠サイクルを経験し、各サイクルの終わりに短時間目覚めるのは完全に正常である。つまり、夜間に5回目覚める可能性がある。これは年齢が上がるにつれて増加することがあり、それでも健康的である。これらの覚醒を覚えていなくても問題ない – 非常に短い場合がある。

成人は一晩に7〜9時間の睡眠が必要だとよく耳にする。しかし、良質な睡眠は時間数だけでなく、質も重要である。

多くの人にとって、良質な睡眠とは、就寝後すぐに眠りにつけること（約30分以内）、長時間起きずに眠れること、そして休息を取った感覚で目覚め、一日の準備ができていることを意味する。

一晩に少なくとも7時間の爽快な睡眠を定期的に取っているのであれば、日中に過度の眠気を感じるべきではない（これはおおよその目安である）。

しかし、身体的な疲労を感じたり、定期的に昼寝をする必要があったり、それでもリフレッシュした感覚がないことに気づいているだろうか？その場合、かかりつけ医に相談する価値があるかもしれない。理由はさまざまな可能性がある。

睡眠障害は一般的である。最大25%の成人が不眠症を抱えており、これは寝つきや睡眠の維持が困難な睡眠障害で、望むよりも早朝に目覚めてしまうこともある。

不眠症や睡眠時無呼吸症候群 – 夜間に何度も呼吸が部分的または完全に止まる状態 – などの一般的な睡眠障害の発生率も年齢とともに増加し、若年成人の20%、中年の40%に影響を与える。効果的な治療法があるため、助けを求めることが重要である。

睡眠障害以外にも、慢性的な健康状態 – 例えば痛み – や特定の薬によって睡眠が妨げられることがある。

睡眠の質が悪い理由は他にもある。子供、ペット、または夜間の交通騒音で起こされる人もいる。これらの「強制的な覚醒」により、朝起きるのが難しくなったり、ベッドを離れるのに時間がかかったり、睡眠に満足できなくなったりする可能性がある。一部の人にとっては、夜間の覚醒に明確な原因がない場合もある。

これらの覚醒が問題かどうかを判断する良い方法は、それらがあなたにどのような影響を与えているかを考えることである。フラストレーションや心配を引き起こしたり、日中の気分や機能に影響を与えたりしている場合は、助けを求めるべき兆候かもしれない。

また、朝起きるのに苦労することもある。これにはさまざまな理由があり、十分な睡眠時間を取れていない、就寝時間や起床時間が不規則である、あるいは体内時計の影響で体が好む睡眠時間が異なるなどが考えられる。

仕事や家族のニーズのために定期的に起きるのに苦労している場合は、助けを求める必要があることを示している可能性がある。これらの要因のいくつかは、懸念がある場合、睡眠心理学者と相談して探ることができる。

睡眠追跡デバイスは、異なる睡眠段階を見るための精度が変動する可能性があることを覚えておくことが重要である。大まかな推定を提供することはできるが、完璧な測定ではない。

睡眠段階を調べるための最良の標準的な測定方法は、研究室での終夜睡眠ポリグラフ検査（PSG）である。PSGは睡眠中の呼吸、酸素飽和度、脳波、心拍数を調べる。

睡眠追跡装置からの毎晩のデータ（睡眠段階を含む）を詳細に調べるのではなく、時間の経過とともに睡眠パターン（就寝時間と起床時間）を見ることがより有用かもしれない。

睡眠パターンを理解することで、就寝前のルーチンや睡眠環境など、睡眠に悪影響を与える行動を特定し、調整するのに役立つ可能性がある。

そして、睡眠データを見ることで睡眠について心配になるのであれば、それはあなたにとって有用ではないかもしれない。最も重要なのは、懸念がある場合は適切な専門の睡眠健康提供者に紹介できるかかりつけ医と相談することである。

本記事は、フリンダース大学臨床睡眠健康学准教授のAmy Reynolds氏、同大学睡眠健康研究員のClaire Dunbar氏、同大学博士研究員臨床心理士のGorica Micic氏、同大学睡眠健康研究員のHannah Scott氏、同大学アデレード睡眠健康研究所准教授のNicole Lovato氏らによって執筆され、The Conversationに掲載された記事「An unbroken night’s sleep is a myth. Here’s what good sleep looks like」について、Creative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、翻訳・転載しています。