Appleが公式にリリースしたiOS 18が、iPhone 15 Pro Maxのバッテリー持続時間を劇的に改善することが明らかになった。この最新のオペレーティングシステムは、CPUの動作を最適化することで、性能をほぼ維持しながらバッテリー寿命を1時間以上延長することに成功しているようだ。
OSアップデートによる実使用環境での大きなバッテリー持続時間の向上を果たす
中国のテクノロジーレビュアーであるGeekerwan氏は、最新の動画の中でiPhone 16シリーズを含む詳細なバッテリーテストを実施しているが、前モデルを含むいくつかのiOSデバイスも比較のためにテストを行っている。
そのテストの中で、iOS 18を搭載したiPhone 15 Pro Maxが、iOS 17の際と比較して約1時間以上のバッテリー持続時間の延長を実現していることが明らかになった。具体的には、iOS 17では7時間56分だったバッテリー寿命が、iOS 18では9時間2分まで延びているのだ。同様に、iPhone 15 Proでも、iOS 17では6時間22分だったバッテリー持続時間がiOS 18では6時間55分へと、30分以上延ばす事に成功しているという。
このテストは単純な動画再生ではなく、WeChat、Webブラウジング、Douyin(TikTok)の使用、Genshin Impactのゲームプレイなど、実際の使用シーンを想定したタスクを繰り返し行うものだ。そのため、この結果は日常的な使用におけるバッテリー持続時間の改善をより認識しやすい物となっている。
では、なぜこのようなことが可能になったのか?それは、AppleがiOS 18において、CPUのブースト周波数に微妙な遅延を導入したことにある。この変更により、A17 ProやA16 Bionicチップを搭載したiPhone 15 ProやiPhone 14 Pro Maxなどの最新モデルで、パフォーマンスコアが最大速度に到達するまでの時間が若干長くなっている。
これによって、iOS 18のジョブスケジューラーはA17 Proチップのパフォーマンスコアと効率コアをより効果的に活用するようになった。具体的には、短時間の突発的なタスクに対して、システムがコアの周波数を上げるまでの待機時間を延長することで、電力消費を抑えるようになったのだ。
この新しいアプローチは、バッテリー寿命の保護を目的としているが、同時にGeekbench 6のベンチマークスコアにも影響を与えている。例えば、iOS 17を搭載したiPhone 15 Pro Maxでは、シングルコアスコアが2,999、マルチコアスコアが7,779だったのに対し、iOS 18では各々2,885と7,476と、若干の低下が見られる。
しかし、これらのベンチマークスコアの微減は、実際の使用シーンではほとんど影響がないと考えられている。むしろ、この変更によってバッテリー持続時間が大幅に向上することの方が、ユーザーにとっては重要な利点となるだろう。
これらの最適化は、Appleが9月のiPhoneイベントで言及していた「iOS 18の高度な電力管理」の一部であると考えられる。この変更により、ベンチマークスコアは若干低下するものの、通常の使用では性能の低下を感じることなく、バッテリー持続時間が延びるという、より大きな利便性の向上が得られるようになった。既存ユーザーにとっては嬉しい改善だ。
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