NVIDIAの次世代フラッグシップGPU、GeForce RTX 5090の価格に関する新たな情報が浮上した。これまで、同GPUの価格が$2,500に達する可能性があるとの噂が広がっていたが、信頼性の高いリーカーがこれを否定する見解を示し、現行モデルから大幅な価格上昇はないとのコメントを発している。
RTX 5090の価格に関する最新の噂と信頼できるリーカーの見解
テクノロジー系のYouTubeチャンネル「Moore’s Law is Dead」は先週、RTX 5090の価格が$1,999から$2,499の範囲になると予測し、さらにMSRP(メーカー希望小売価格)が後者に近い可能性が高いと主張していた。これがもし事実ならば、日本での価格は軽く40万円を超えてくるという悲劇的な展開が予想されたが、GPU業界で高い信頼性を誇るリーカーのkopite7kimiは、この予測に異を唱えている。
kopite7kimiは、RTX 5090の価格上昇は「significant(大幅)」なものにはならないだろうと述べている。この見解は、現行モデルであるRTX 4090の発売時MSRP $1,599と比較して、大きな価格差が生じない可能性を示唆している。
とはいえ、NVIDIAが高価格戦略を取る可能性も完全には否定できない。同社は過去にTitan RTXを$2,499で販売した実績があり、また主要な競合であるAMDが次世代のハイエンドGPU市場から撤退を表明していることから、NVIDIAが独占的な立場を利用して価格を押し上げる可能性も考えられる。
NVIDIA RTX 5090の予想スペックと発表時期
RTX 5090の詳細なスペックはまだ明らかになっていないが、kopite7kimiによると、同GPUは32GBのGDDR7 VRAM、512ビットメモリバス、21,760のCUDAコアを搭載し、TDP(熱設計電力)は600Wに達する可能性があるという。
一方、RTX 5080は16GBのGDDR7 VRAM、10,752のCUDAコア、320WのTDPを備えると予想されている。特にGDDR7は32Gbpsを採用すると見られており、NVIDIAが次世代GPUで大幅な性能向上を目指していることを示している。
発表時期については、CES 2025が有力視されている。NVIDIAのCEOであるJensen Huang氏が、2019年以来初めてCESの基調講演を担当することが発表されており、これは大きな製品発表の予兆と見られている。RTX 5070、RTX 5080、RTX 5090の3モデルが同時に発表される可能性が高い。
グラフィックボード市場の動向とNVIDIAの戦略
NVIDIAは現在、AIBパートナー(Add-In-Board partners)に次世代GPUのSKU、構成、スペックについてブリーフィングを行っている段階だ。しかし、価格に関する情報はまだ共有されていない。通常、価格は発売日が近づいてからNVIDIAがMSRPを決定した後に、AIBパートナーが自社製品の価格を設定する。
興味深いことに、台湾のある工場筋によると、NVIDIAは少なくとも8種類の異なるクーラーデザインをリファレンスモデル(Founders Edition)用に準備しているという。これらが最終デザインかプロトタイプかは不明だが、製品化に向けた準備が着々と進んでいることを示している。
一方で、現行のRTX 4000シリーズの在庫処分も進められている。多くのAIBパートナーが特にRTX 4080 SUPERとRTX 4070 SUPERの在庫を処分しようとしており、今後の休暇シーズンに向けて大幅な値下げが予想される。
Xenospectrum’s Take
NVIDIAのRTX 5090の価格戦略は、V市場全体に大きな影響を与える可能性がある。kopite7kimiの予測が正しければ、NVIDIAは比較的穏当な価格設定を選択することになり、ハイエンドGPU市場の健全な成長を促す可能性がある。
しかし、AMDの撤退により競争が減少する中、NVIDIAが独占的な立場を利用して価格を押し上げる誘惑に駆られる可能性も否定できない。特に、同社の収益の約78%がデータセンター事業から得られていることを考えると、消費者向け製品の価格設定にはある程度の柔軟性があるかもしれない。
結局のところ、最終的な価格設定は市場の需要と供給、そして競合他社の動向に大きく左右されるだろう。NVIDIAがRTX 4000シリーズで直面した価格設定に対する批判を教訓にしているかどうかも、重要な要因となるはずだ。
いずれにせよ、現時点での価格に関する噂は、あくまで推測の域を出ない。正式な発表まで、我々は辛抱強く待つ必要がありそうだ。そして、その間にも、グラフィックボード市場は刻々と変化を続けるのだろう。
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