Intelは15日、同社のベンチャーキャピタル部門であるIntel Capitalを独立した投資会社としてスピンオフする計画を発表した。2025年下半期に予定される分離後、Intel Capitalは外部から資金調達が可能となる。この動きは、厳しい経営環境下で進められている同社の大規模な構造改革の一環として位置付けられる。
Intel Capital独立化の詳細
Intel Capitalは1991年の設立以来、1,800社以上に投資を行い、累計200億ドル以上の資金を投下してきた。過去10年間だけでも1,700億ドル以上の市場価値を創出している。現在の資産規模は50億ドルに達し、シリコン、フロンティア技術、デバイス、クラウドなど、コンピューティングの未来を形作る重要分野で早期段階の企業への投資を手がけてきた。
暫定共同CEOであり最高財務責任者のDavid Zinsnerは、「Intel Capitalの分離は、両社にとってウィンウィンのシナリオとなる。新会社は事業拡大のための新たな資金源にアクセスできるようになり、両社は生産的な長期的戦略的パートナーシップから引き続き恩恵を受けることができる」と説明している。
経営再建に向けた構造改革の加速
この決定の背景には、Intelが直面している深刻な経営課題がある。同社は2024年、1971年の株式公開以来最悪の株価パフォーマンスを記録。一連の経営上の失策と市場シェアの大幅な損失により、業績が悪化している。
こうした状況を受け、Intelは12月にPat Gelsingerを4年の任期で解任。現在はDavid ZinsnerとMichelle Holthausが暫定共同CEOを務めている。同社は最先端の半導体工場建設に多額の投資を行う一方で、PC向けチップ事業の立て直しを図っており、コスト削減と事業の簡素化を進めている。
相次ぐ事業再編の一環
Intel Capitalのスピンオフは、同社が進める一連の事業再編の最新の動きとなる。現在、FPGA(現場でプログラム可能なゲートアレイ)を専門とするAltera部門の上場を準備中であり、自動運転関連部品とソフトウェアを手がけるイスラエルのMobileyeの過半数株式も保有している。
さらに昨年は、ファウンドリー事業(半導体受託製造事業)の独立化に向けた取り組みを進め、取締役会を設置するなど、具体的な準備を開始している。
Source
- Business Wire: Intel Capital to Become Standalone Investment Fund
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