Googleがチャットボット「Claude」で知られるAIスタートアップ「Anthropic」に対して新たに10億ドル以上の追加投資を実施することが明らかになった。この投資により、Googleの同社への総投資額は約30億ドルとなる。Anthropicは現在、Lightspeed Venture Partnersが主導する20億ドルの資金調達も進めており、同社の企業価値は600億ドルに達する見込みだ。
急成長するAnthropicの事業基盤
Anthropicは2024年12月時点で年間換算収益が10億ドルに到達し、前年比で約10倍の成長を記録している。同社の収益は主に法人向けビジネスから生み出されている。2023年3月にリリースされた対話型AI「Claude」は、企業の営業、マーケティング、カスタマーサービスなど幅広い業務で採用が進んでいる。
同社は2024年10月、人間と同様にコンピュータを操作できる「Computer Use」機能を発表。画面の解釈からボタンの選択、テキスト入力、ウェブサイトのナビゲーション、ソフトウェアを通じたタスク実行まで、複雑な操作を実現した。最高科学責任者のJared Kaplanは、「数十から数百のステップを必要とするタスクを実行できる」と述べている。
激化するAI開発競争とビッグテックの戦略
この投資はGoogleにとって、AI市場での競争力強化を図る重要な戦略的施策となる。同社は生成AI技術の基礎を開発したものの、その商業化では後れを取っているとされる。今回の追加投資により、Microsoft、Meta、Amazonといった競合他社に対する態勢を強化する。
特筆すべきは、AnthropicがAmazonからも過去18ヶ月で総額80億ドルの投資を受けていることだ。Amazonは同社の技術を次世代のAlexaに組み込むことを計画している。
だが、投資規模の拡大に伴い、規制当局の監視も強まっている。FTC(連邦取引委員会)は、GoogleやAmazonのAnthropicへの投資、およびMicrosoftとOpenAIの提携について、競争への影響を精査している。ただし、Lina Khan委員長の退任が近づく中、業界再編の動きは加速する可能性がある。
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GoogleがAIスタートアップAnthropicへ10億ドル以上を追加投資。総投資額は30億ドルに。企業価値600億ドル評価の資金調達も進行中。年間収益10億ドル達成、前年比10倍の急成長を遂げる。
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