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Microsoft、AI PC時代の「Copilot+ PC」を発表、新たな「Surface Pro」と「Surface Laptop」が6月にリリースへ

Y Kobayashi

2024年5月21日

Microsoftは本日、これまでAI PCと呼んでいたAI機能を強化したPC群を改めて「Copilot+ PC」のブランド名に改め、大々的に推進していくことを明らかにした。このブランド名を冠したPCは、AIハードウェアを内蔵し、OS全体でサポートされる最先端のAI機能を利用することが可能となる。

同時にMicrosoftは、様々なパートナーから発表されたCopilot+ PCと共に、自社ブランド「Surface」の新たなCopilot+ PCである「Surface Pro」と「Surface Laptop」も発表している。

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主要PCメーカーが続々「Copilot+ PC」を製造へ

Microsoftによれば、Intel、AMD、そしてQualcommのいずれもがWindowsとそのAIアシスタント「Copilot」を実行するAIベースのチップを搭載したプロセッサを提供する。既にQualcommはSnapdragon Xチップを発表しており、本日の発表でもCopilot+ PCがいくつも明らかになっている。

今後、Microsoft、Dell、HP、Acer、Asus、Samsung、Lenovoなど、主要PCメーカーのほとんどがCopilot+ PCを製造する予定とのことだ。

Microsoftのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼コンシューマー・チーフ・マーケティング・オフィサーのYusuf Mehdi氏は、新しいCopilot+ PCは、AppleのM3チップを内蔵したMacBook Airよりも「58%速くなる」と主張している。これがQualcommのSnapdragon Xチップを搭載した新型PCに対するものなのか、それとも独自のAIニューラル・プロセッサーを搭載したIntelまたはAMDの将来のプロセッサーに対するものなのかは不明だ。

新しいQualcomm Snapdragon X Eliteチップを搭載したCopilot+ PCノートブックのバッテリー駆動時間は、Webブラウジングで最大15時間、ビデオ視聴で最大20時間になるとのことだ。それにも関わらず、「信じられないほど薄く、軽く、美しい」と、Mehdi氏は述べている。

また、Microsoftはこれと同時に、Copilot+ PC向けの独自機能として、「Recall」を発表した。これは、AIがPCの全てを記憶してくれるもので、ユーザーはタイムラインをさかのぼったり、検索機能によって深くコンテンツを検索することが出来る様になる物だ。この機能を利用するには、現時点ではCopilot+ PCである事が必要とMicrosoftは述べている。

「Copilot+ PC」の基準を満たす具体的な仕様については、Microsoftは「Windows 次世代 AI デバイスのハードウェア要件」として、以下の様なシステム要件を明らかにしている。

  • プロセッサまたはシステム オン チップ (SoC):40 TOPS (1 秒あたり兆単位の操作) 以上の処理能力を持つニューラル・プロセッシング・ユニット (NPU) を組み込んだプロセッサまたは SOC
  • RAM: 16 GB DDR5/LPDDR5
  • ストレージ: 256 GB SSD/UFS 以上のストレージ デバイス

この要件は、Windows 11の最小システム要件を上回るものであり、現時点では40TOPSを上回るNPUを搭載するものは、QualcommのSnapdragon X EliteもしくはX Plusチップしか該当しない。Intelが“AI PC”として昨年発売した「Meteor Lake」は残念ながらCopilot+ PCには該当しないようだ。

なお、デスクトップパソコンに搭載されるNVDIAやAMD、IntelのディスクリートGPUによるAI処理能力が、NPUの代替としてこれに該当するのかどうかについてだが、Microsoftは「将来的には、このシリコンを搭載したデバイスがNVIDIA GeForce RTXやAMD Radeon™のような強力なグラフィックスカードと組み合わされ、Copilot+ PC体験が上級ゲーマーやクリエイターのようなさらに幅広いユーザーに提供されることを期待しています」と述べ、将来的な対応を示唆している。

Surface Pro

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Microsoft Surfaceで最も人気のあるモデルがこの「Surface Pro」だ。新しいSurface Pro(正式名称はSurface Pro, 11th Edition)は、Snapdragon X Elite(またはX Plus)チップセットを搭載し、Microsoftが新たに発表した「Copilot+ PC」の第一陣を飾る。

項目仕様
CPUQualcomm Snapdragon X Elite 及び Plus
GPUQualcomm Adreno
ディスプレイタイプIPSまたはOLED、最大120Hz、タッチおよびペン対応
ディスプレイサイズ(解像度)13インチ、2880×1920
RAM最大32GB LPDDR5x
ストレージ最大1TB PCIe 4.0 SSD
ポートUSB4対応 x 2、Surface Connect x 1
オペレーティングシステムWindows 11
Webカメラ5MP + IRフロントカメラ、10MPリアカメラ
セルラー接続あり、オプションで5G対応
Wi-Fi接続Wi-Fi 7
BluetoothBluetooth 5.4
フォームファクタータブレット(2-in-1)
価格$1,000から

Surface Proは全てのモデルがQualcommのSnapdragon X EliteもしくはX Plusプロセッサを搭載するため、45TOPSの処理性能を誇り、Microsoftが提供するWindows 11のAI機能の数々を使う事が出来る。

だが、それ以上に特筆すべきは、HDR対応の有機ELディスプレイがオプションで用意されたことだろう。Surface Proのディスプレイは13インチで、解像度2880 x 1920、リフレッシュレート120HzのIPS液晶または有機ELを選択する事が出来る。

もうひとつの大きなアップグレードはキーボードだ。Microsoftが長年Surface Proモデルに同梱してきたシグネチャータイプカバーの代わりに、この新モデルはオプションのSurface Pro Flex Keyboardと連動し、タブレットからキーボードを取り外して使用できるようになったため、キーボードの位置を調整できるようになり、タイピングの自由度が増している。

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メモリは最大32GBのLPDDR5X RAMをサポートするが、自身でのアップグレードは出来ない。ベースモデルは16GB RAMと256GB PCIe SSDを標準装備する。ストレージ容量が最も多いモデルは1TBで、PCIe Gen 4プロトコルをサポートしている。

価格は、207,680円からで、Microsoft Storeで現在予約受付中だ。

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Surface Laptop

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新しいSurface Laptopは、2つのサイズが用意されている:13.8インチと15インチだ。どちらも3:4のIPSタッチスクリーン・ディスプレイを採用し、解像度は2,304×1,536ピクセルと2,496×1,664ピクセル。リフレッシュレートは120Hzに向上し、Surface LaptopはHDRに対応した。

QualcommのSnapdragon Xチップを搭載したSurface Laptopは、Intelを搭載したSurface Laptop 5よりも86%高速とのことだ。13.8インチモデルにはSnapdragon X EliteまたはX Plusが搭載され、大型モデルにはSnapdragon X Eliteのみが搭載される。

メモリに関しては、16GBまたは32GBのLPDDR5X RAMから選択できる。

項目仕様
CPUQualcomm Snapdragon X Elite 及び Plus
GPUQualcomm Adreno
ディスプレイタイプIPS、60Hz、タッチ対応
ディスプレイサイズ(解像度)13.8インチ、2304×1536 または 15インチ、2496×1664
RAM最大64GB LPDDR5x
ストレージ最大1TB
ポート2x USB4、1x USB Type-A、1x Surface Connect
オペレーティングシステムWindows 11
Webカメラ1080p + IR
セルラー接続なし
Wi-Fi接続Wi-Fi 7
BluetoothBluetooth 5.4
フォームファクタークラムシェル(ノートブックタイプ)
バッテリー最大22時間のビデオ再生
スピーカーOmnisonicスピーカー
カラープラチナ、グラファイト、サファイア、デューン
価格$1,000から

Snapdragon Xチップは、パフォーマンスを向上させるだけでなく、バッテリー駆動時間も大幅に改善する。13.8インチのSurface Laptopは最大20時間、15インチのSurface Laptopは最大22時間ビデオを再生できるとのことだ。

ポートに関しては、USB-C/USB4ポートが2つあり、Surface Laptopの充電、データ転送、外部ディスプレイ(最大3台の4Kディスプレイ)への給電、アクセサリーの接続が可能となる。また、USB-A 3.1ポートが1つ、3.5 mmヘッドフォンジャック、そして旧来のSurface Connectポートもある。15インチモデルには、microSDXCカードリーダーも搭載されている。

新しいSurface Laptopのその他の変更点としては、触覚トラックパッド、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4のサポート、Windows HelloとWindows Studioエフェクトを備えた1080p Webカメラ、2つのDolby Atmosスピーカー、ボイスフォーカスを備えたStudioマイクなどがある。

価格は207,680円からで、Microsoft Storeで予約受付中だ。


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