YouTubeは、広告なしで動画を視聴できる新たなサブスクリプションプラン「Premium Lite」を、米国、オーストラリア、ドイツ、タイで近日中に導入する予定だという。このプランは、現行のYouTube Premiumとは異なり、音楽ストリーミングサービス「YouTube Music」が切り離され、音楽以外の動画の広告を削除することに特化したプランとなっている。
広告なし視聴を求めるユーザーへの新たな選択肢
Bloombergによると、YouTubeは「Premium Lite」プランを近日中に発表する予定だという。YouTubeの広報担当者は、「ユーザーにより多くの選択肢と柔軟性を提供するための取り組みの一環として、ほとんどの動画を広告なしで視聴できる新しいYouTube Premiumプランをいくつかの市場でテストしている」と述べている。
現行のYouTube Premiumは、月額13.99ドル(日本では1,280円)で広告なしの動画視聴に加えて、YouTube Musicの利用やオフライン再生などの特典を提供している。しかし、既に他の音楽ストリーミングサービスを利用しているユーザーや、YouTube Musicを必要としないユーザーにとっては、割高に感じられる場合があった。
「Premium Lite」の内容と価格
「Premium Lite」は、YouTube PremiumからYouTube Musicの機能を除外し、広告なしの動画視聴に特化したプランとなる。ただし、The Vergeによると、音楽ビデオには広告が表示される。また、オフライン再生などの一部のPremium特典も利用できない可能性があるようだ。
価格については、Bloombergの記事では言及されていないが、他の国でのテスト価格から、現行のPremiumプランの約半額(6〜8ドル程度)になる可能性が高いと推測される。
過去のテストと今後の展開
YouTubeは、2021年から一部のヨーロッパ諸国で「Premium Lite」と呼ばれる広告なしプランの試験運用を行っていたが、2023年に終了していた。しかし、2024年10月には、The Vergeに対し、「Premium Lite」の「異なるバージョン」をテストしていることを認めており、今回の発表につながった。
YouTubeの広報担当者であるPaul Pennington氏は、The Vergeに対し、「ほとんどの動画を広告なしで視聴できる新しいYouTube Premiumプラン」をテストしており、「将来的には、パートナーのサポートを得て、より多くのユーザーにこのプランを提供したい」と述べている。
XenoSpectrum’s Take
YouTubeが「Premium Lite」を導入することは、広告なし視聴を求めるユーザーにとって朗報だ。特に、既に他の音楽ストリーミングサービスを利用しているユーザーにとっては、YouTube Premiumの価格設定がネックとなっていたため、より安価な「Premium Lite」は魅力的な選択肢となるだろう。
一方で、「Premium Lite」では音楽ビデオには広告が表示される点や、オフライン再生などの一部機能が利用できない点には注意が必要だ。これらの機能が必要なユーザーは、引き続きYouTube Premiumを検討する必要がある。
今回の「Premium Lite」導入は、YouTubeのサブスクリプション戦略における重要な転換点となる可能性がある。広告収入に加えて、サブスクリプション収入を拡大することで、コンテンツクリエイターの収益源を多様化し、より安定したプラットフォーム運営を目指す狙いがあると考えられる。今後の展開に注目したい。
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