iPhone 17 ProおよびPro Maxのデザインに関する新たな情報が浮上し、これまでの期待に冷や水を浴びせる可能性が指摘されている。BloombergのジャーナリストでAppleの内部情報に詳しいMark Gurman氏によると、噂されていた大胆なデザイン変更は見送られる公算が大きいという。一方で、AppleはiPhone登場20周年となる2027年に向け、折りたたみモデルを含む大規模な刷新を計画しているとの観測も強まっている。
iPhone 17 Pro/Pro Max:デザイン変更の噂に「待った」
これまで、2025年秋に登場が見込まれるiPhone 17 ProおよびiPhone 17 Pro Maxについては、デザイン面での大きな変更が期待されていた。特に、一部ではシルバーの本体背面に対しカメラ部分がダークブラックになる「ツートーンデザイン」や、顕著なカメラバーの採用、さらにはDynamic Islandの小型化などが噂として流れていた。

しかし、BloombergのMark Gurman氏は自身のニュースレター「Power On」にて、これらの噂を否定する見解を示した。同氏によれば、流布しているレンダリング画像に見られるようなツートーンデザインは「実現するものの正確な表現ではない」とのことだ。
「オンライン上の一部の画像では、シルバーのiPhone背面にダークブラックのカメラブロックを配したツートーンデザインが示されています。これらは、インターネット上の多くのレンダリングと同様に、実現するものを正確に表現したものではありません。」
「私が聞いたところによると、iPhone 17 Proはツートーンの背面にはなりません。カメラ領域はデバイスの他の部分と同じ色になります。これは、Appleが行っているより段階的なデザイン変更を示唆しています。iPhone 17 Proは現在のモデルからの大きな変更ではないのです」
Mark Gurman
この情報が正しければ、iPhone 17 Pro/Pro Maxの外観は、現行のiPhone 16 Proシリーズから劇的に変化することはなく、「緩やかなデザイン変更」に留まる可能性が高い。Gurman氏は、前面デザインはiPhone 16 Proと「かなり似ている」としつつも、背面カメラ周りについては「意味のある違い」が見られるだろうと述べている。ツートーンにはならないものの、カメラユニットのデザイン自体に変更が加えられる可能性は残されているようだ。
ただし、Gurman氏は過去にも予測を外した例がないわけではないため、この情報を鵜呑みにするのは早計である。Appleが複数のプロトタイプでデザインを検討し、最終的に量産段階で異なる判断を下す可能性も否定できない。現時点では、iPhone 17 Proシリーズのデザインに関する最終決定は下されていないと考えるべきだろう。
2027年、iPhone 20周年に向けたAppleの「大きな賭け」
iPhone 17シリーズのデザイン変更が小幅に留まる可能性が示唆される一方で、Appleはより長期的な視点で、iPhoneの歴史における次なる大きな節目を見据えているようだ。Bloombergの報道によると、同社はiPhone登場から20周年を迎える2027年に、大規模な製品刷新を計画しているという。
2017年のiPhone 10周年では、ホームボタンを廃止し全面ディスプレイを採用した「iPhone X」が登場した。CEO Tim Cook氏が「今後10年間のテクノロジーの道筋を示すだろう」と語った通り、iPhone Xはスマートフォンのデザインと操作性に大きな影響を与えた。
その10年が終わりに近づく2027年、Appleは再びiPhone Xに匹敵するようなインパクトを持つモデルの投入を狙っていると見られる。具体的には、以下の2つの可能性が報じられている。
- 折りたたみiPhone(iPhone Fold)の投入:
長年噂されながらも登場時期が度々延期されてきた折りたたみiPhoneが、この20周年という節目に合わせて発表される可能性がある。当初は2024年、その後2026年との予測もあったが、2027年までずれ込むことは、これまでの経緯を考えれば十分に考えられるシナリオだ。ただし、実現すればSamsungの初代Galaxy Fold登場から8年遅れとなる。 - 大胆なデザインの新Proモデル:
より広範囲にガラス素材を使用した、全く新しいデザインのProモデルが登場する可能性も指摘されている。「より広範なガラス素材の使用」が具体的にどのようなデザインを指すのかは不明だが、過去には2017年頃にも「全面ガラス製iPhone」の噂が存在した。iOS 19でガラスのようなデザイン言語が導入されるとの噂や、iPhone 17 Proでガラス素材の使用箇所が増えるとの噂(これらは2025年の話)とも、長期的な視点で見れば関連性があるのかもしれない。
Bloombergは「同社はiPhoneの20周年に向けて、折りたたみバージョンや、より広範にガラスを使用した大胆な新しいProモデルを含む、大規模な改革を準備している」と報じている。
もしこの計画が進行中であれば、AppleはiPhone Xが果たした役割と同様に、2027年モデルで次の10年間のスマートフォンの方向性を提示しようとしているのかもしれない。iPhone 17シリーズでのデザイン変更が控えめになる可能性は、この2027年の大規模刷新に向けた準備期間、あるいは「嵐の前の静けさ」と捉えることもできるだろう。
現時点では、これらはあくまでリーク情報やアナリストの観測に基づくものであり、Appleからの正式な発表はない。しかし、短期的なiPhone 17 Proのデザインに関する期待が修正される一方で、長期的なiPhoneの進化、特に20周年という節目に向けたAppleの野心的な計画が明らかになりつつあることは注目に値する。今後の動向を引き続き注視していく必要がある。
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