TSMCは「N3E」や「N2」、その先の開発中である最先端ノードが大きく注目されるが、パワー半導体、ミックスド・アナログI/O、超低消費電力アプリケーション(IoTなど)といったアプリケーション向けの一連の特殊ノードも提供している。
今回同社は、ヨーロッパで開催したテクノロジーシンポジウムの中で、新たな低消費電力ノード「N4e」の計画を発表した。さらに同社は今後数年間で特殊技術ファブの容量を50%増加させる計画も明らかにし、TSMCが最先端ノード以外にも多くの焦点を当てていることを示唆している。
ロードマップに多くの特殊ノードが追加される
AnandTechが報じたところによると、TSMCは今後「4〜5年」で特殊技術ファブの容量を50%増加させる計画を表明した。この取り組みには、既存のファブスペースを改造するだけでなく、「グリーンフィールド」と呼ばれる新しいファブを建設することが含まれる。この戦略の結果として、新しい低消費電力4nmノード「N4e」が、N4PおよびN4Xとともに公式のロードマップに加わることになる。
このノードがどの顧客やアプリケーションに割り当てられるかは不明であるが、IoTや他の低消費電力が求められる消費者向けデバイスに専用される可能性がある。通常、これらのアプリケーションは高価な先端プロセスを使用するのが非現実的なため、従来のノードを使用するが、TSMCはこの取り組みが実現する2029年頃を見据えて計画を立てている。
TSMCの事業開発および海外業務担当上級副社長であるKevin Zhang博士によると、同社は既にグリーンフィールドファブの建設を開始しているが、その所在地については明言していない。Zhang博士は、グリーンフィールドの迅速な展開は、通常であれば長期にわたる審査プロセスを省略し、すでに工事が始まっているという点で同社として初の試みであると述べている。
Zhang博士によると、TSMCのこの動きは、グローバルサプライチェーンに対するレジリエンスを構築するための大きな取り組みの一環である。このレジリエンスは、台湾外でのファブ建設や、将来的に需要が見込まれるノードの容量増加によって実現される。AnandTechは、同社の最先端の低消費電力ノードは現在N6eであり、これは6nm/7nmノードで0.4Vから0.9Vの電圧を使用すると報じている。N4eについては、電圧を0.4Vまで下げることを目指しているが、シンポジウムではその性能や属性についての追加の詳細は提供されていない。
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