先日、レーザー核融合により、人類初の「核融合反応による正味のエネルギー利得(Net Energy Gain)」が米・ローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設によって確認されたが、アメリカはこの研究を更に推し進めるために、本格的に人工知能の力を導入するようだ。
米国エネルギー省(DOE)が、人工知能、機械学習、その他のデータ資源を活用できる研究者に3,300万ドル(43億8,000万円)を提供することが明らかになった。
DOEは、現在進行中の核融合実験のシミュレーションについて、人工知能、機械学習を用いて、研究速度を上げることを目指しているという。同機関では、今後数十年以内に核融合パイロットプラントの開発をサポートする可能性が高いアプローチに重点を置き、既存の公共データに対するAI/MLの適用に関する提案を求めている[PDF]とのことだ。
近年の科学実験で得られるデータの量は膨大なものになっており、その全てを人の手で解析することが限界に達している。それによって見落とされている科学的事実などもあるとして、CERNの素粒子物理学の実験を始め、実験データの解析にAI/MLの力を借りようとする動きは世界的に加速している。
DOEの科学者は、これらの実験によって生成された大規模なデータセットについて、AI/MLの利用によって、これまで見落とされていた洞察が引き出され、核融合システムのシミュレーションに使用するモデルの改良に繋がる可能性があると考えている。
ただし、今回この資金がすべて1つのプロジェクトに使われるわけではない。DOEは6から10のプロジェクトに資金を提供することを想定しており、資金提供の上限を100万ドルから250万ドルの間としている。
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