Qualcommが、WindowsベースのSnapdragon X PCの価格帯を大幅に引き下げる計画を発表した。同社CEOのCristiano Amon氏によると、2025年には700ドルという手頃な価格帯のSnapdragon X PCが登場する見込みだ。この動きは、高性能かつ長時間駆動のArmベースPCを、より多くのユーザーに届けることを目指している。
戦略的な価格引き下げにより裾野を広げる
Qualcommの2024年第3四半期決算発表の場で、Amon CEOは次のように述べた。「2025年に向けて、新たなデザインウィンに加えて、NPUパフォーマンスを損なうことなく、小売価格が700ドルという低価格帯のPCにも対応できるよう、X シリーズの製品ロードマップを拡大していきます」
現在、Snapdragon X Plusチップを搭載したWindows機は、安くても16万円以上の物しかない。性能を考えればかなり競争力のある物であるが、既に10万円以下で多く販売されているWindowsノートPC市場においては高嶺の花である事には違いないだろう。だが、今回Qualcommが表明しているように、700ドルクラスのPCが販売されるようになれば、そのバッテリー持続時間や処理性能とあいまって、市場に大きなインパクトを与えるに違いない。
実際にSnapdragon X搭載PCがどの程度出荷されているのかは不明であり、一部では余り売れていないのではないかとの話もあったが、Qualcommによれば、具体的な販売数字を明らかにしていないものの、一部のSnapdragon X PCモデルですでに初期在庫が完売したとのことだ。こうした好調な結果を受けて、同社はOEMメーカーと次世代のCopilot+ PC開発にも取り組んでいるという。
Amon CEOは、SnapdragonプラットフォームのAIパフォーマンス上の利点により、QualcommがAI PC向けの「トップシリコンサプライヤーの1つ」になると確信を示している。また、PC事業が「ゆっくりと着実に」立ち上がっていくものの、「同社の多角化を牽引する最大の要因になる」と予測している。
700ドルという価格帯を実現する具体的な方法については明らかにされていないが、スペックや機能の一部を抑えるか、あるいはAppleのMac miniのように小型デスクトップPCとして展開する可能性も考えられる。
また、同社がSnapdragon X Elite Gen 2の開発を開始したという噂もある。これは、Qualcommが2025年のフラッグシップスマートフォン向けに投入する「Snapdragon 8 Gen 4」に搭載されるAdreno 830 GPUのオーバークロックバージョンを搭載すると言われている。
なお、「Snapdragon 8 Gen 4」は、2024年10月末に開催予定のSnapdragon Summitにおいて、発表されると見られており、2025年初頭にはフラッグシップスマートフォン向けに採用される見込みだ。
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