Googleが待望の新型スマートフォン「Pixel 9」シリーズを正式に発表した。今年のMade by Googleイベント2024の主役として登場したPixel 9シリーズは、従来の2モデル構成から拡大し、Pixel 9、Pixel 9 Pro、そして新たにPixel 9 Pro XLの3モデルがラインナップに加わった。これらの新モデルは、最新のTensor G4チップセットを搭載し、AIを活用した新機能や改良されたカメラシステムを特徴としている。
Pixel 9シリーズの革新的な特徴と進化したAI機能
Pixel 9とPixel 9 Proは、どちらも6.3インチのディスプレイを採用している点で共通しているが、その性能には違いがある。標準モデルのPixel 9は2,700ニットの輝度を持つActuaディスプレイを搭載しているのに対し、Proモデルは3,000ニトまで明るさを上げられる、より高性能なディスプレイを備えている。この明るさの違いは、屋外での視認性や高ダイナミックレンジ(HDR)コンテンツの表示品質に大きく影響する。
Google Pixel 9 | Google Pixel 9 Pro | Google Pixel 9 Pro XL | |
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サイズ | 152.8 x 72.0 x 8.5mm | 152.8 x 72.0 x 8.5mm | 162.8 x 76.6 x 8.5mm |
重量 | 198g | 199g | 221g |
ディスプレイ | ・6.3インチ Actua OLED ・アスペクト比 20:9 ・解像度:1080 x 2424 ・422 PPI ・リフレッシュレート:60-120Hz ・明るさ: 1800ニト (HDR) 2700ニト (ピーク) ・HDR サポート | ・6.3インチ Super Actua LTPO OLED ・アスペクト比 20:9 ・解像度:1280 x 2856 ・495PPI ・リフレッシュレート:1-120Hz ・明るさ: 2000ニト (HDR) 3000ニト (ピーク) ・HDR サポート | ・6.3インチ Super Actua LTPO OLED ・アスペクト比 20:9 ・解像度:1344 x 2992 ・486PPI ・リフレッシュレート:1-120Hz ・明るさ: 2000ニト (HDR) 3000ニト (ピーク) ・HDR サポート |
ディスプレイコーティングや素材 | ・Corning Gorilla Glass Victus 2(前面と背面)背面は研磨仕上げ ・サテン仕上げのアルミフレーム ・IP68 定格 | ・Corning Gorilla Glass Victus 2(前面と背面)背面はマット仕上げ ・研磨仕上げのアルミフレーム ・IP68 定格 | ・Corning Gorilla Glass Victus 2(前面と背面)背面はマット仕上げ ・研磨仕上げのアルミフレーム ・IP68 定格 |
RAM | 12GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | 128GB、256GB | 128GB、256GB、512GB、1TB | 128GB、256GB、512GB、1TB |
カメラ | 50MP、48MPリアカメラ、10.5MPフロントカメラ | ・50MP、48MP、48MPリアカメラ ・42MPフロントカメラ | ・50MP、48MP、48MPリアカメラ ・42MPフロントカメラ |
センサー | ・近接センサー ・環境光センサー ・加速度計 ・ジャイロメーター ・磁力計 ・気圧計 | ・近接センサー ・環境光センサー ・加速度計 ・ジャイロメーター ・磁力計 ・気圧計 ・温度センサー | ・近接センサー ・環境光センサー ・加速度計 ・ジャイロメーター ・磁力計 ・気圧計 |
バッテリー | 4,700mAh | 4,700mAh | 5,060mAh |
OSとアップデート | 7年間のOSとセキュリティアップデートを備えたAndroid 14 | 7年間のOSとセキュリティアップデートを備えたAndroid 14 | 7年間のOSとセキュリティアップデートを備えたAndroid 14 |
カメラシステムも大幅に強化された。Pixel 9は50MPのメインカメラと48MPの超広角カメラを備える2眼構成となっている。一方、Pixel 9 Proはこれらに加えて48MPの望遠レンズを追加し、より多用途に対応するトリプルカメラ構成を実現している。特筆すべきは、Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLのフロントカメラが42MPへとアップグレードされた点だ。これにより、自撮り写真の品質が大幅に向上することが期待出来そうだ。
Pixel 9 Proは加えて望遠レンズでの動画撮影時に超解像ズームによる最大20倍の望遠撮影が可能になった。更に動画ブースト機能により最大8K解像度の動画撮影にも対応している。
また、昨年Pixel 8シリーズの発売時に予告された「ズーム画質向上(Zoom Enhance)」機能がついにPixel 8 Proにロールアウトされ、Pixel 9 Pro、9 Pro XL、9 Pro Foldにも搭載されることが明らかになった。ズーム画質向上は、撮影後の画像に対して、機械学習によって画像の解像度を上げ、更なる拡大を可能にする機能だ。
ズーム画質向上は、ピクセル間のギャップをインテリジェントに埋め、細かいディテールを予測し、高品質な撮影後のズーム結果を実現します。 この機能は、Pixel 9 Pro、Pixel 9 Pro XL、Pixel 9 Pro Foldで利用可能で、本日からPixel 8 Proにも展開されます。
新たに登場したPixel 9 Pro XLは、6.8インチの大型ディスプレイを特徴としている。この広い画面は、マルチタスクやメディア閲覧時に、より没入感のある体験を提供する。カメラ性能はPixel 9 Proと同等だが、ディスプレイの大型化に対応する形でより大容量の5,060mAhバッテリーを搭載している。さらに、30分で70%まで充電可能な高速充電に対応しており、大画面による電力消費の増加を補う工夫がなされている。
全モデルに搭載されるTensor G4チップセットは、Google DeepMindとの共同開発により生まれた最新のプロセッサーだ。このチップセットは、最新のAIモデルを効率的に実行できるよう最適化されているとのことで、マルチモーダルAIモデル「Gemini Nano」の実行が可能な初のプロセッサーであるとのことだ。これにより、テキスト、画像、音声を統合的に理解し処理する高度なAI機能が実現している。
セキュリティ面では、長年待ち望まれていた超音波式指紋センサーが採用された。これは、従来の光学式センサーと比較してより安全で信頼性が高い物で、超音波を使用して指紋の微細な構造をモデル化することで、暗い環境下でも効率的に動作し、セキュリティの向上とユーザー体験の改善を同時に実現している。
Pixel 9は同日発売されたGoogleのAIモデル「Gemini」の新機能「Gemini Live」にももちろん対応している。その他にもAIを用いた様々な機能が追加されており、例えば、外部環境に応じて画面感度を自動調整する「Adaptive Touch」機能は、手袋をしている時や雨の日など、様々な状況下でのスマートフォン操作を最適化する。また、生活の一場面をスナップショットとして保存・整理できる新しいスクリーンショット機能も追加された。これらに加えて、通話内容の要約機能や、インタビューの録音、レシートの収集など、ビジネスユースにも適した機能が充実している。
さらに、Pixel 9シリーズ専用の新しい天気アプリ「Pixel Weather」も登場した。このアプリは、アニメーションを抑えたミニマルなデザインを採用し、ユーザーの好みに応じて項目を自由にカスタマイズできる。AIによって生成される天気に関するコメントも、ユーザーエクスペリエンスを向上させる新機能の一つだ。
これらの新型Pixelは、Android 14を搭載して出荷される。注目すべきは、7年間のOSおよびセキュリティアップデートが保証されている点だ。これは、デバイスの長期的な使用を促進し、電子廃棄物の削減にも貢献する取り組みと言えるだろう。
Pixel 9シリーズは本日から予約受付を開始し、Pixel 9とPixel 9 Proは8月22日から、Pixel 9 Pro XLは9月4日から出荷が開始される。価格は、Pixel 9が128,900円から、Pixel 9 Proが159,900円から、Pixel 9 Pro XLが177,900円からとなっている。カラーバリエーションも豊富で、モデルによって異なるが、Obsidian、Porcelain、Hazel、Pink、Mojito、Cosmoなどの選択肢が用意されている。Pixel 9 Proシリーズは、GoogleのAIモデル「Gemini」の有料サブスクリプションプラン「Gemini Advanced」が6か月間無料で使える特典が付与される。また、下取りや次回購入で使う事が出来るストアクレジットが最大50,100円付与される特典が用意されている。
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