元Intelの主力CPUアーキテクトたちが新たな挑戦を始めた。2024年7月、長年Intelで活躍した4人のベテランエンジニアが「Ahead Computing」というスタートアップを立ち上げ、RISC-V IPの開発に乗り出したことが明らかになった。
Ahead Computingの設立と創業メンバー
Ahead Computingは、Intelで長年の経験を持つ4人のCPUアーキテクトによって2024年7月18日に設立された。創業メンバーは以下の通りである:
- Dr. Debbie Marr: Ahead ComputingのCo-Founder, CEO, & President。元Intelフェローであり、Advanced Architecture Development Group (AADG)のチーフアーキテクト。33年間Intelに在籍し、386、Pentium Pro、ハイパースレッディング技術、Haswellのチーフアーキテクトなどを務めた。40件以上の特許を取得している。
- Jonathan Pearce: Ahead ComputingのCo-Founder。Intelのプリンシパルエンジニア兼CPUアーキテクト。AADGに所属し、22年間Intelで働いた。最後は「AI/ML/HPC向けの画期的な性能を持つ新しいマイクロプロセッサ」の開発に携わっていた。19件の取得を取得している。
- Dr. Srikanth Srinivasan: Ahead ComputingのCo-Founder。Intelのプリンシパルエンジニア兼CPUアーキテクト。同じくAADGに所属し、23年間Intelで勤務。Nehalem、Haswell、Broadwell、Bergenfieldなどのプロジェクトに携わり、AADGでは「プロセッサ性能の限界を押し上げる新しいマイクロアーキテクチャ」のフロントエンドとバックエンドチームをリードした。50件の特許を取得している。
- Mark Dechen: Ahead ComputingのCo-Founder。Intelのプリンシパルエンジニア兼CPUアーキテクト。AADGでCPUコアに焦点を当てて16年間勤務。Haswell、Broadwell、Goldmont、Goldmont Plus、Tremont、Skymontのマイクロアーキテクチャ開発に携わった。15件の特許を取得。
これら4人の創業メンバーは、Intelの中核的なCPU開発部門であるAdvanced Architecture Development Group (AADG)で働いていた経歴を持つ。彼らの豊富な経験と専門知識は、Ahead Computingの強みとなるだろう。
現時点でAhead Computingの具体的な製品計画は明らかにされていないが、同社のWebサイトによると「魅力的なRISC-V コアIPの設計、検証、ライセンス供与」を行うとしている。RISC-V アーキテクチャは近年、その柔軟性とオープン性から注目を集めており、Ahead Computingの参入により、この分野にさらなる革新がもたらされる可能性がある。
Intelの主力アーキテクトたちによる新会社の設立は、半導体業界に大きな影響を与える可能性がある。彼らの知識と経験が、RISC-V エコシステムの発展にどのように寄与するか、今後の動向が注目される。
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