Appleが発表した最新のiOSアップデート、iOS 18には、コントロールセンターの刷新や、ゲームモードの追加、見られたくないアプリをロックして非表示にする機能など、ユーザー体験を大きく変える機能がいくつも追加されているが、地味ながらも有用な機能も多数追加されている。そんな機能の一つに、充電関連の機能があるが、今回iOS 18では、iPhoneの充電速度を監視し、遅い充電器を使用している場合にユーザーに警告を表示する機能が搭載されていることが判明した。
充電器性能監視システム
iOS 18では、iPhoneのバッテリー設定メニューに新たな機能が追加された。ユーザーが「設定」アプリから「バッテリー」セクションに移動すると、バッテリーレベルのグラフが表示される。このグラフには、充電器の性能を示す新しい色分けシステムが導入されている。
急速充電時には従来通り緑色で表示されるが、遅い充電器を使用している場合、グラフはオレンジ色に変化するようだ。さらに注目すべきは、遅い充電器を使用中にバッテリーメニューを開くと、「低速充電」という警告メッセージが表示されるようになっている。
この新機能により、ユーザーは自身の充電環境を容易に把握できるようになる。例えば、古い5W充電器を使用している場合、システムがそれを検出し、より高速な充電器に切り替えるよう促すことができるようになっているのだ。
ただし、現時点では「低速充電」と判定される具体的な閾値は明らかにされていない。Appleは公式にこの機能の詳細を発表していないが、iPhoneの充電能力が向上していることを考えると、この機能の導入は理にかなっている。
ちなみに、筆者が上記の通知を受けた際は、7.5Wの古いQi充電器に乗せて充電した際に通知が表示された。10Wの有線充電では表示されなかったため、10W未満で通知が来る可能性が考えられそうだ。
iPhone 16シリーズの高速充電と拡張されたバッテリー管理機能
iOS 18の新機能は、Apple最新のiPhone 16シリーズの高速充電能力と密接に関連している。iPhone 16シリーズは、有線接続で最大45Wの高速充電に対応するようになった。これは、前世代のiPhone 15シリーズと比較して約50%の向上を意味する。
この大幅な充電速度の向上は、Appleが長年批判を受けてきた点を改善したことを示している。低速充電器の警告機能は、このような高速充電能力を最大限に活用するためのユーザーサポートと言える。
さらに、iOS 18ではバッテリー管理機能も強化された。従来は80%までの充電制限しか設定できなかったが、新たに85%、90%、95%の充電制限オプションが追加された。これにより、ユーザーはバッテリーの寿命と充電容量のバランスをより細かく調整できるようになった。
この新機能はiPhone 16シリーズに限らず、iPhone 15シリーズを含む他のiPhoneモデルでも利用可能なようだ。筆者も実際に、iPhone 15 Pro Maxでも遅い充電器の警告が表示されることが確認できている。
これらの改善により、Appleはユーザーのバッテリー管理体験を大幅に向上させ、同時にデバイスの長期的な性能維持にも貢献している。
Xenospectrum’s Take
AppleのiOS 18における充電関連の新機能は、ユーザー体験の向上とデバイスの長寿命化を両立させる賢明な戦略だと言える。低速充電器の警告機能は、ユーザーに最適な充電環境を意識させることで、iPhoneの急速充電能力を最大限に活用させる効果が期待できる。
同時に、より柔軟になったバッテリー充電制限オプションは、ユーザーの使用パターンに応じたきめ細かい調整を可能にし、バッテリーの劣化を抑制することができる。これらの機能は、Appleがユーザーのニーズとデバイスの持続可能性を真剣に考慮していることの表れだろう。特に、充電関連の機能に関しては、iOSはAndroidと比較して先行している印象だ。
iOS 18の充電関連機能は、ユーザーとデバイス、そして環境のバランスを取ろうとするAppleの姿勢を示す良い例と言えるだろう。特に、最近のiPhoneは充電器が同梱されていないため、古いiPhoneからの買い換えの場合、知らず知らずのうちに最適ではない充電器を使うことになる可能性もある。特にiPhone16シリーズの45W急速充電を活かすためには、それ相応の充電器を購入する必要があるだろう。
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