Appleの長らく待たされたAI機能の全貌はWWDCでついに明らかになったが、実際にその最も大きな変化である“新たなSiri”による数々の画期的な機能をユーザーが体験できるまでには、まだ少し時間がかかりそうだ。最新の情報によると、生まれ変わったSiriの画期的な機能強化は2025年春まで登場しないと言われている。
AppleはAIの導入に対する慎重な姿勢を崩していない
BloombergのMark Gurman氏による最新のレポートによれば、AppleはiOS 18のアップデートの一環として、2024年秋にその生成AI機能「Apple Intelligence」の一部機能を導入する予定だ。この初期段階では、Siriのユーザーインターフェースの刷新やOpenAIのChatGPTとの統合など、比較的小規模な改善が行われる。
しかし、多くのユーザーが期待する革新的な機能、例えばiOSアプリへの直接アクセスや、画面上の情報を理解して適切な操作を提案する能力などは、2025年まで待つ必要がある。Gurman氏の報告によると、これらの高度な機能は2025年1月にiOS開発者向けのベータ版としてリリースされ、一般ユーザー向けには2025年春のiOS 18.4アップデートで提供される予定だ。
具体的には、新たなSiriに対し、ユーザーが「写真を編集して友人に送信する」といった複雑なタスクを指示するだけで、Siriは自動的にタスクをこなしてくれる様になると言う。また、ディスプレイ上の情報を理解し、コンテキストに基づいて適切な操作を提案する機能も追加される。これらの機能は、AppleのAIアシスタントを真に直感的で強力なツールへと進化させる可能性を秘めている。
この段階的なアプローチは、Appleが新技術の導入に慎重であることを示している。同社は、ユーザー体験の質を最優先に考え、十分なテストと改良を重ねた上で新機能をリリースする方針を貫いているようだ。
一方で、AmazonやGoogleなどの競合他社も、それぞれのAIアシスタントの強化に取り組んでいる。特にAmazonは、AIの大規模言語モデル(LLM)を活用した新しいAlexaを2024年9月にも発表する可能性があると報じられている。
AppleのAI戦略は、スマートフォンにとどまらず、2025年には新しいVision ProヘッドセットにもApple Intelligenceを統合する計画があるとのことだ。さらに、AI搭載の家庭向けロボットの開発も進めているとの情報もある。
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