AMDの次世代グラフィックスカード、Radeon RX 8000シリーズと見られるグラフィックボードがGeekbenchのデータベースに登場した。RDNA 4アーキテクチャを採用し、56個のコンピュートユニットを搭載した新型GPUと16GBのVRAMを搭載したこの謎のグラフィックボードは、AMDの次世代グラフィックボードが大きなパフォーマンスの向上を果たすことが期待されている。
AMD Radeon RX 8000シリーズの詳細が浮上
Geekbenchに登場したAMD Radeon RX 8000シリーズのGPUは、「GFX1201」というデバイスIDで識別されている。この識別子は、RDNA 4アーキテクチャを採用したNavi 48 GPUであることを示唆している。Navi 48は、RDNA 4ファミリーで導入される2つのNavi 4Xダイの中で最大のものとされ、AMDの次世代グラフィックス技術の中核を担うチップと考えられる。
このGPUの主な仕様は以下の通りだ:
- コンピュートユニット(CU):56個(28ワークグループプロセッサ)
- ストリームプロセッサ(SP):3,584基(各コンピュートユニットに64基を想定)
- クロック周波数:2.1 GHz
- VRAM:16 GB
コンピュートユニットの数は、現行のRX 7700 XT(54 CU)とRX 7800 XT(60 CU)の中間に位置している。クロック周波数に関しては、現在のRDNA 3 GPUが容易に2.5-2.6 GHzにブーストできることを考えると、2.1 GHzという数値はやや低めに見える。しかし、これは初期のサンプルであり、最終製品ではより高い周波数が期待できる。
メモリについては、16GBのVRAMが確認されており、これは現行のRX 7800 XTやRX 7900 GREと同じ容量だ。この情報から、高性能なRDNA 4カードは256ビットのメモリバスインターフェースを採用し、一部の構成では192ビットバスと12GBのVRAM容量のモデルも登場する可能性がある。
性能面では、現時点でのOpenCLベンチマークの結果は3万ポイント台と、10万ポイントを優に超えるデスクトップRadeonと比較すると、統合GPUレベルにとどまっている。これは、開発の初期段階であることを考えれば当然のことと言える。今後の開発進展に伴い、より実際の性能を反映したベンチマーク結果が期待される。
AMD RDNA 4 GPUは、新しいレイトレーシングエンジンを搭載し、前世代と比較して大幅な性能向上を実現すると見られている。また、AMDはRDNA 4 GPUで、現行のNavi 31レベルの性能を400-500ドル価格帯にまで引き下げることを目指しており、NVIDIAに対して非常に価格競争力のある製品展開を行うと見られている。特にレイトレーシング性能の向上は顕著で、NVIDIAのRTX 4070 Ti Superと同等か、AMDに最適化されたゲームではRTX 4080に比肩すると言われている。
業界関係者からの情報によると、AMDのボードパートナーはすでにRDNA 4の開発に注力しており、RDNA 3の新モデル開発よりも優先度が高くなっているという。このことから、RDNA 4の開発が後期段階に入っている可能性が高い。
なお、AMDはNavi 4X GPUファミリーのうち、最上位モデル(Radeon RX 8900シリーズに相当)の開発を中止したとの噂もある。代わりに、RX 8800からRX 8500シリーズまでのラインナップが展開される可能性が高い。
AMD Radeon RX 8000シリーズの正式発表は、CES 2025での発表が予想されている。今後も続々と新しい情報が明らかになることが期待される。
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