AMDのCEO、Lisa Su博士は、最新の決算報告において、次世代Radeon RDNA 4 GPUが「3月上旬」に発売されることを正式に発表した。長らく待たれていたRadeon RX 9070シリーズは、ミドルレンジ市場に新たな選択肢を提供し、NVIDIAのRTX 50シリーズに対抗する。
AMD、RDNA 4 GPUを3月上旬に投入、ミドルレンジ市場を狙う
AMDは、次世代GPU「RDNA 4」アーキテクチャを採用したRadeon RX 9070およびRX 9070 XTを、3月上旬に発売する。これは、AMDのCEOであるLisa Su博士が、2024年第4四半期の決算報告の場で明らかにしたものだ。
「RDNA 4は、レイトレーシング性能を大幅に向上させ、AIを活用したアップスケーリング技術をサポートします。これにより、高品質な4Kゲーミングをメインストリームのプレイヤーに提供します」とSu博士は述べた。
この発表は、PCゲーマーにとって待望のニュースだ。 NVIDIAの最新カードは、高価格にもかかわらず世界中でほぼ即完売。AMDは、1月のCES 2025で新しいRadeonのデザインを披露しなかったことで、一部で失望を招いていた。しかし、今回の発表で、RX 9070シリーズが間もなく登場することが確定した。
ゲーミング部門の苦戦とRDNA 4への期待
AMDの決算報告では、Ryzen 9 9800X3DなどのデスクトップCPUの売上が好調で、クライアント部門の収益が前年比58%増となったことが強調された。しかしその一方で、ゲーミング部門は大幅な減収となっている。
この背景には、NVIDIAがPC向けGPU市場で優位に立っていること、そして現行世代のゲーム機(Xbox Series X/SとPlayStation 5はどちらもAMDのチップ設計に基づいている)の需要が減少していることがある。
Su博士は決算報告で、RDNA 3の在庫を処分し、新しいRadeonハードウェアの準備を進めたため、2024年のGPU収益が減少したと指摘した。
ゲーム部門の収益は前年比59%減の5億6,300万ドルに減少したが、その一部はゲーム機の売上減少によるものであると、Su博士は説明した。
AMDは今後、Ryzen CPUとRadeon GPUの事業部門を統合し、単一の報告セグメントとする予定だ。このことからも、RDNA 4がAMDにとって、社運を賭けた重要な製品であることがうかがえる。
NVIDIAの供給不足とAMDの戦略
NVIDIAは、RTX 5090とRTX 5080のフラッグシップGPUを発売したものの、深刻な供給不足に陥っている。また、RTX 40シリーズと比較して、生のパフォーマンスの向上が比較的小さいという指摘もある。
こうした状況は、AMDにとって、ミドルレンジ市場を獲得する絶好の機会となる。
AMDの成功への道筋は2つある。NVIDIAが2月に発売予定のRTX 5070および5070 Tiの性能を上回れば、RX 9070シリーズは販売面で優位に立てる。もし性能で及ばない場合でも、価格を引き下げることで、価格重視の消費者を惹きつけることができるだろう。
Source
- The Motley Fool: Advanced Micro Devices (AMD) Q4 2024 Earnings Call Transcript
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