有名ハードウェア・リーカー「Moore’s Law Is Dead(MLD)」が公開したYouTube動画で、AMDがコードネーム「Sound Wave」と呼ばれるArmベースのAPUに取り組んでいることが報じられた。Sound Waveは、2026年のリリースを目指して開発が行われており、Qualcommからシェアを奪うことを目的として特別に設計されているようだ。
AMDはArmチップの開発を重要視しており優秀な人材をプロジェクトに充てている
Moore’s Law Is Dead(以下:MLD)は、前提としてAMDのArmチップ開発がNintendo Switchの後継機向けAPUとして行われていた物であり、結果としてNVIDIAと競った末に敗れたが、この際にArmベースAPUの初期設計作業を行っていた可能性が高いと主張している。逆にそれを考えると、AMDがArmベースのチップを開発している事が今まで噂に出てこなかった事が不思議だと。
そして今回、AMD内部の情報提供者からもたらされた情報として、コードネーム「Sound Wave」と呼ばれるArmベースのAPUが開発されていることが確認されたとのことだ。更にMLDは、AMDがArmシステムからのバグ報告を求めていることも指摘されており、AMDがArm APUの開発を進めている別の角度から補完する情報として補足している。
Sound Waveと言う名称は、既に過去にAMD社員のLinkedInプロフィールに記載されたことがあったが、当時は注目を集めなかったという。
具体的にSoundwaveがどのような物になるのかはまだ不明だが、確実なことはCPUがx86ではなく、Armアーキテクチャベースである事。非常に強力なNPU(Neural network Processing Unit)が搭載され、強力なAI処理機能を持ち、いわゆる「AI PC」向けとなること。そしてそれは、Qualcommが現在受注しているMicrosoft SurfaceのArm市場を奪うべく開発されていると言う事だという。
Sound Waveのリリースは2026年が予定されているが、2027年にずれ込む可能性もあるようだ。
AMD上層部はこのプロジェクトを重要視しており、進捗に遅れが出ないように直接監視しており、優秀な人材をプロジェクトに投入しているという。
MLDはこの件について、Intelの情報源が、AMDのArm APU開発に対して懐疑的な意見を持ちながらも、その革新精神を評価している事も付け加えた。このリスクの高い試みは、モバイル市場を完全に掌握するための準備かもしれないと、Intelの情報源は述べている。
Windows Arm市場は今後QualcommがSnapdragon Xで大きな話題をさらうことが予想されるが、NVIDIAとMediaTekが共同でチップ開発を行っており、この市場に参入することも報じられている。ArmのCEOも今後更に多くのベンダーが参入する事を報告しているから、今後大いに盛り上がる事が予想される。
動画の全編は以下からどうぞ。
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