AMDの次世代3D V-Cacheフラッグシップ「Ryzen 9 9950X3D」の初のベンチマーク結果が公開され、前世代モデルを大きく上回るその性能の一端が明らかになった。16コアのZen 5アーキテクチャと革新的な3D V-Cache技術の組み合わせが、期待以上の結果をもたらしているようだ。
Ryzen 9 9950X3Dの現時点で判明している主要スペックと技術革新
AMD Ryzen 9 9950X3Dは、2基のZen 5 CCDを搭載し、16コア32スレッドを搭載する次世代デスクトップCPUだ。キャッシュ構成は、CCDからの64MB L3キャッシュに加え、3D V-Cacheスタックによる追加64MBを組み合わせ、合計128MB の大容量L3キャッシュを実現。さらに16MB のL2キャッシュを備え、総キャッシュ容量は144MBに達する。
第2世代3D V-Cacheスタッキング技術の採用により、7950X3Dよりも高いクロック速度での動作が可能になると予測されている。TDPは120-170W程度と見込まれ、標準的なPBOとCOチューニングオプションに加えて、完全なオーバークロックサポートも提供される見込みだ。
メモリ対応については、DDR5-6000までの最大256GBをサポートすることが確認されている。新しい実装技術により、理論的には各CCDにキャッシュダイを搭載可能で、最大192MBのL3キャッシュ構成も技術的には実現可能とされている。
Ryzen 9 9950X3Dのベンチマーク結果と性能比較
FactorioBoxでのベンチマークテストでは以下の結果が示された:
- Ryzen 9 9950X3D:655 UPS
- Ryzen 7 9800X3D:553.7 UPS
- Ryzen 9 7950X3D:400-458 UPS
この結果は、前世代のRyzen 9 7950X3Dと比較して最大64%、発売されたばかりのRyzen 7 9800X3Dと比較して約18%の性能向上を示している。
Ryzen CPU パフォーマンス比較 (Factorio UPS)
※ Factorioベンチマーク結果に基づく
特筆すべきは、テスト環境にDDR5-6000メモリを256GB搭載していた点で、これは消費者向けZen 5プラットフォームがサポートする最大メモリ容量となっている。
Xenospectrum’s Take
今回流出したベンチマーク結果は、AMDの3D V-Cache技術の進化を如実に示している。特に注目すべきは、単なる性能向上だけでなく、新しいパッケージング技術の採用により各CCDにキャッシュダイを搭載できる可能性が開かれた点だ。
これは理論上、L3キャッシュを192MBまで拡張できる可能性を示唆している。確かに、この実装には相当のコスト上昇が予想されるが、次世代GPUとの組み合わせを考えると、ハイエンドゲーミング市場において非常に魅力的な選択肢となるだろう。
2025年初頭の発売が予定されている本製品は、AMDのデスクトップCPU市場における技術的優位性をさらに強化する可能性が高い。ただし、最終的な価格設定と実際の供給量が市場での成功を左右する重要な要因となるだろう。
Sources
- FactrioBox
- via @Olrak_29
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