AMDが、AIイメージ生成ツールスイート「Amuse」の最新版となるバージョン2.1をリリースした。この大型アップデートにより、最先端のAIモデル「FLUX.1」のサポートが追加され、RadeonグラフィックスカードとRyzenプロセッサによるパフォーマンスが大幅にアップしている。
AMDのAI戦略が加速
Amuse 2.1ベータ版は、Ryzen AIおよびRadeon GPU搭載システムのユーザーを対象に、TensorStackのWebサイトから無料でダウンロードが可能となっている。今回のアップデートの目玉は、Black Forest Labsが開発した最新のイメージ生成モデル「FLUX.1 Schnell」のサポート追加だ。
FLUX.1 Schnellは、わずか4ステップで高品質な画像を生成できる最先端のAIモデルだ。Amuseを通じてGPU上で動作し、Radeon RX 7900 XTXなどの高性能グラフィックボードを利用し、PC上で利用可能だ。また、DreamshaperやStable Diffusion 1.5ベースの人気モデルもサポートされており、ユーザーの選択肢が大幅に拡大している。
アップデートには画質向上のための最適化も含まれており、全てのモデルで生成される画像の品質が向上している。さらに、旧型ハードウェアでの動作に影響を与えていたバグの修正も行われ、より安定した体験が可能になったという。
Amuse 2.1の新機能を使用するには、「Advanced Mode」でFLUX.1 Schnellモデルをダウンロードし、「text to image」タブから画像生成を行う。ただし、FLUX.1 Schnellは非常に大規模なモデルであるため、生成時間はシステム構成に大きく依存する。特にストレージ速度やメモリ容量、速度などが影響を与えるため、ユーザーの環境によって性能が変化する点に注意が必要だ。
Amuse 2.1がもたらす新時代のAI画像生成
加えて、Amuse 2.1では、FLUX.1 Schnellモデル以外にも23種類の新たなStable Diffusionモデルがモデルギャラリーに追加された。これにより、ユーザーは多様なスタイルや特性を持つAIモデルを使用して、創造性豊かな画像生成が可能となっている。
システム要件に関しては、新しいLCMモデルやSDXL Turboモデルの利用にはAMD Ryzen AI 300シリーズ、Ryzen 8040シリーズ、またはRyzen 7040シリーズプロセッサが推奨されている。一方、FLUX.1 Schnellモデルの実行には、AMD Radeon RX 7900 XTX、Radeon PRO W7900、Radeon PRO W7800グラフィックスカードが必要とされる。
AMDが公開した性能ベンチマークによると、Radeon RX 7900 XTXを使用してFLUX.1 Schnellモデルで1024×1024ピクセルの画像を生成する場合、4ステップの推論に約49.9秒を要することが示されている。この結果は、高解像度の画像生成においても、AMDのハードウェアが高い性能を発揮できることを示している。
Amuse 2.1ベータ版のリリースにより、AMDはAI画像生成の分野で自社のハードウェア優位性をさらに強化した。RadeonグラフィックスカードとRyzenプロセッサのユーザーは、最新のAIモデルを活用して、より高品質で多様な画像生成が可能になる。今後のアップデートでは、さらなる性能向上や新機能の追加が期待出来るだろう。
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