日本でもいよいよ発売が開始されるAppleの初の「空間コンピュータ」こと「Vision Pro」は、599,800円という信じられないような高価格で、恐らくほとんどの人にとっては手の届かない物となっている。そのユーザー体験は確かに素晴らしい物のようで、話題性としても盛り上がった物ではあるが、デバイスが普及しなければそのエコスステムに基づく新たな市場の開拓は望めない。Appleは2025年にこのVision Proの機能を絞り、多くの人々にとって手に入りやすい価格帯で新たなヘッドセット製品の発売を計画しているようだ。
Vision Proの半額以下の廉価版ヘッドセットを計画中か
The Informationは、ヘッドセット・サプライチェーンの従業員と、Apple内部でヘッドセット製品の開発に携わる従業員から得た情報として、Appleが新たにVision Pro(3,500ドル)の半額以下となる、1,600ドル程度(250,000円程度)の廉価版Visionヘッドセット製品(コードネームN109)を2025年の発売を目標に開発が行われている事を報告している。
加えて、The Informationは、AppleがVision Proの後継製品となるハイエンド製品のVisionヘッドセット製品の開発を凍結したとも伝えている。これは、関心の低下と売上の急落に備え、Appleが前述のN109に注力するための決定のようだ。
Appleの廉価版Visionヘッドセットは、現行のVision Proと同じ高解像度ディスプレイを搭載するが、価格を下げるためにカメラの数を減らし、スピーカーも廉価な小さな物に変更し、重量も軽くなるという。ただ、Appleはディスプレイの品質を維持しながらコストを下げるのに苦労しているようだ。
1,600ドルという価格設定は、iPhone 15 Pro Maxの1TBモデルと同レベルの価格設定と言う事で、Appleはこれを1つの価格設定の目安として開発を進めているようだ。とは言え、廉価版言うにはそれでも競合他社のMeta Quest 3の649ドルという価格に比べれば2倍以上であり、その価格差以上の体験をユーザーに提供出来るかどうかが鍵ともなりそうだ。
ちなみに、Metaに関してはVision Proの発売を機にプレミアムモデルの開発に着手したとも伝えられている。ただし、Vision Proのその後の推移を見て、この計画を変更したかどうかは不明だ。
Vision Proは今月末、日本、中国、オーストラリア、多くのヨーロッパ諸国で発売される。The Informationの情報筋によると、Appleはおよそ50万台のVision Proヘッドセットを生産しており、これらの新市場への参入にもかかわらず、これ以上大幅に生産することはないという。
Source
コメント