Appleは長年の方針を転換し、そのプラットフォーム上でレトロゲームエミュレータの提供を認めるようにガイドラインを改定した。これにより、「RetroArch」や、「PPSSPP」と言った、多くのレトロゲームエミュレータが登場しているが、Appleの寛容さはゲームのみに限定されている。ガイドラインによれば、DOSやWindowsといったOSのエミュレーションはまだ許可されず、開発者は門前払いを食らっているようだ。
Appleの一貫性のないルール解釈に開発者は困惑
DOSエミュレータの新バージョンであるiDOS 3の開発者Chaoji Li氏は、4月のApp Storeガイドラインの改定によって、自身のDOSエミュレータも審査が通過すると考えていたが、2か月が経った後Appleから通知を受け取り、「iDOS はレトロ ゲーム コンソールではないため、新しいルールは適用されない」と却下されたことをブログにて報告している。再審査のために変更を加えるように提案されたが、変更について尋ねても具体的なアドバイスはなく、レトロゲームコンソールとは何かと尋ねても「見れば分かる」とだけ返答があっただけだという。
「iDOS」は、オープンソースのDOSBoxエミュレーターの再パッケージ版だ。このアプリは2014年からApp Storeで入手可能だったが、2021年にAppleが削除した。エミュレーターに対する姿勢が緩和されたため、Li氏はiDOS 3をこのプラットフォームに導入しようとしていたが、Appleはそれを却下しているというわけだ。
また、同じようにWindowsエミュレータのUTM エミュレーターは、WindowsおよびDOSゲームをエミュレートするためにアプリを更新しようとしたが、2か月に及ぶレビュー プロセスの後、App Store のレビュー ボードが「PC はコンソールではない」と判断し、却下されたと述べている。
UTMはApp Storeでのリリースを断念し、Appleの姿勢が変わるまで、PCエミュレーターを公式およびサードパーティーのアプリストアに掲載する試みを中止することになった。オープンソースのアプリをiPhoneで実行したい人は、Xcodeで手動でコンパイルすることで引き続き実行できる。
開発者たちは、こうしたAppleの一貫性のないルール解釈と明確な理由付けの欠如に不満を抱いている。
「要するに、(iOSの)エコシステムにおける唯一のルールメーカーであり執行者であるAppleは、一貫性を保つ必要はまったくないのです」とLi氏はThe Vergeに述べている。
Sources
- Appel Developer: App Review Guidelines
- Chaoji Li: iDOS 3 waiting for review (rejected)
- The Verge: Apple says no to PC emulators on iOS
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