Appleが、10周年を迎えるApple Watchの最新モデル「Apple Watch Series 10」を発表した。以前から噂されていた様な、バンド機構の再設計などは見られないが、新モデルでは、大型化したディスプレイと薄型化されたデザインによって、従来モデルから着実な進化を遂げた物となっている。
Apple Watch Series 10のための多くの再設計
Apple Watch Series 10は、これまでのモデルから大きく進化した設計を採用している。最も注目すべき点は、40%明るくなった広角OLEDディスプレイだろう。このディスプレイは、Apple Watch Ultraよりも大きく、テキストの視認性が向上している。さらに、ディスプレイの省電力性能がアップしたことにより、アイドル時の画面更新頻度が向上し、アプリやコンプリケーションの情報を1秒ごとに更新できるようになった。
新モデルは薄さわずか9.7mmと、前モデルから10%薄くなっており、Apple Watchシリーズの中で最も薄いモデルとなる。この薄型化を実現するため、スピーカー、ロジックボード、金属製バックケースなど、様々な部品の小型化が行われた。また、重量面でもアルミニウムモデルで10%の軽量化を実現しており、ユーザーの負担を軽減している。
デザイン面では、チタン製モデルが新たに追加された。これは従来のステンレス製モデルと比較して20%軽量化されており、ナチュラル、ゴールド、ダークスレートグレーの3色展開となっている。ケースサイズは42mmと46mmの2種類が用意され、従来のストラップアクセサリーとの互換性も維持されている。
内部では、新たに開発されたS10チップが搭載されている。このチップは、4コアのニューラルエンジンを備え、応答速度の向上や通話時のノイズ低減などの機能強化を実現している。また、バッテリー性能も向上し、30分の充電で80%まで充電可能になった。バッテリー寿命は従来通り約18時間となっている。
健康管理機能の強化とwatchOS 11の新機能
Apple Watch Series 10では、健康管理機能がさらに強化されている。最も注目される新機能は、睡眠時無呼吸症候群の検出機能だ。この機能は、加速度センサーを使用して睡眠中の呼吸パターンを監視し、異常を検出する。ただし、この機能の提供には米国食品医薬品局(FDA)の承認が必要となるため、実際の利用開始時期は未定となっている。
防水性能も向上し、50メートルまでの防水性能を維持しつつ、内蔵の水温センサーと深度センサーにより、シュノーケリングや潜水時の情報提供が可能になった。これらの機能は、watchOS 11に搭載される新しい「Tides」アプリと連携して、潮の情報も提供する。
watchOS 11では、その他にも多数の新機能が追加される。自動トラック走行検出、iPhoneと連携したサイクリングのライブアクティビティ表示、水泳時のストロークと間隔の追跡、コンパスアプリでの緯度・経度・高度・ウェイポイントの表示など、フィットネス関連の機能が大幅に強化されている。
Apple Watch Series 10は、GPS単体モデルが59,800円から、セルラーモデルが75,800円からの価格設定となっている。チタンモデルは109,800円からとなる。本日から予約受付が開始され、9月20日に発売される予定だ。
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