Boston Dynamicsは、YouTubeに「Farewell to HD Atlas」と題した動画を投稿し、同社の人型ロボットAtlasが引退することを発表した。
動画は、Atlasの11年に渡る進化の歴史のハイライトと、多くの失敗を紹介するものだ。
ただし、恐らくこれは同社がヒューマノイドロボット事業から撤退することを示唆する物ではないだろう。
動画の説明分で同社は「私たちの油圧式Atlasロボットは、のんびりとくつろぐ時を迎えています。Atlasプラットフォームがこれまで成し遂げてきたことを振り返ってみましょう」と述べており、“油圧式”という、これまではあまり触れられてこなかったその駆動方式が強調されている事から、まったく新しい後継機が登場する可能性も高い。
Atlasは、Boston DynamicsがGoogleに買収されたのと同じ2013年に、米国防高等研究計画局(DARPA)からの資金提供を受けて誕生した。捜索・救助作業を行うために設計された最初のバージョンは、高さ約1.6メートル、重さ約85kgという堂々たる大きさで、太いケーブルで電源につながれていた。
2021年にHyundaiに買収されたBoston Dynamicsは、長年にわたってAtlasのデザインを改良してきた。発表当初はほとんど歩くことができなかったAtlasは、2017年までにはパルクールやバク転を披露するようになった。その1年後、Atlasはジョギングをしたり、丸太を飛び越えたり、40cmの段差から段差へと飛び移ったりしていた。2019年には本格的な体操へと進化した。
Boston Dynamicsがロボット工学のパイオニアとなるべく懸命に努力していることを考えれば、Atlasの引退発表に続いて、さらに素晴らしい能力を備えた新型ヒューマノイド・ロボットが発表されるのは間違いないだろう。
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