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家事ロボットの未来?1Xが軽量ヒューマノイド「NEO Beta」を公開、2024年末に家庭向けに試験導入へ

Y Kobayashi

2024年8月31日

ヒューマノイドロボットが家庭に入る日が、思いのほか早く訪れるかもしれない。ロボットスタートアップ1X Technologies は、8月30日に家庭用ヒューマノイドロボット「NEO Beta」のプロトタイプを公開した。同社は2024年後半に、選ばれた家庭での試験導入を計画している。

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家庭用ヒューマノイドの新たな一歩

1Xは10年以上にわたってヒューマノイドロボットの開発に取り組んでおり、2017年に前身となる「EVE」ロボットを発表して以来、革新的な技術を追求してきた。NEO Betaは、EVEの物体操作能力と長年の経験を基に構築されており、商業施設から一般家庭への展開を目指す1Xの新たな一歩となる。

Introducing NEO Beta | A Humanoid Robot for the Home

1X CEOのBernt Børnich氏は次のように述べている。「今年、研究開発目的で限定数のNEOユニットを選択された家庭に導入する予定です。これにより、我々のミッション達成に向けてさらに一歩前進することになります」。

1Xの目標は、人々と協働する安全で知的なヒューマノイドを通じて、豊富な物理的労働力を創出することにある。この目標を達成するため、1Xのヒューマノイドは多様な環境に触れ、幅広いタスクを遂行する能力を獲得する必要がある。

NEO Betaの発表は、家庭用ロボット市場に大きな影響を与える可能性がある。多くのロボット工学の専門家が家事ロボットの実用化に長期的な見方を示す中、1Xの取り組みは業界に新たな展開をもたらすかもしれない。

安全性と軽量化を重視したデザイン

NEO Betaは、消費者向けロボットとして一から設計されている。1X Technologiesによると、NEOは競合他社の製品よりもはるかに軽量で、約25kgに抑えられている。ただし、Betaプロトタイプはやや重い。

比較として、Tesla Optimus GEN2は57kg、Figure 02は70kg、Unitree G1は35kgとなっている。

Børnich CEOは、NEO Betaの特徴について次のように説明している。「我々の優先事項は安全性です。安全性こそが、NEO Betaを家庭に自信を持って導入し、実際の環境でフィードバックを集め、その能力を実証するための基盤となります」。

NEO Betaは軽量であるだけでなく、柔軟な外装を採用している。他の多くのヒューマノイドロボットが硬質のプラスチックや金属製の外装を使用しているのに対し、NEOは人間の筋肉に相当する部分にクッション材を入れたジャンプスーツを着用している。

さらに、Børnich CEOは、1Xのロボットには挟み込みの危険がある箇所がないと述べている。これらの特徴は、人間との接触時の安全性を高めることが期待される。

ヒューマノイドロボットの開発企業は、2024年6月までに42億ドル以上の資金調達を行っており、業界への注目度の高さがうかがえる。1X Technologiesも2024年1月に1億ドルのシリーズB資金調達を完了し、次の成長段階に入っている。

しかし、こうしたロボットの実用性と手頃な価格での提供については、まだ証明されていない。NEOの価格は未発表だが、TeslaのElon Musk氏は、Optimusを最終的に2万ドル未満で提供すると繰り返し主張している。また、Unitree G1は1万6000ドルで販売されているとされる。

1XのNEO Beta発表は、家庭用ヒューマノイドロボット市場に新たな展開をもたらす可能性がある。安全性と実用性の両立、そして手頃な価格での提供が実現すれば、私たちの日常生活に大きな変革をもたらすかもしれない。今後の開発と試験導入の結果が注目される。


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