新型OLED iPad Proが発売され、それと同時に早速分解が行われYouTubeに動画が公開されている。既に破壊動画でも明らかになったように、薄型化されたにもかかわらず剛性が上がっている新型iPad Proであるが、これをなし得るためにAppleが行った多くの工夫が分解動画から明らかになった。
銅素材が用いられたAppleロゴやバッテリー
YouTubeチャンネルのPhone Repair Guruによる13インチM4 iPad Proの分解では、整然と組み合わされた美しい内部構造が見られる。部品が積み重ねられ、しっかりとネジ止めされていることから剛性が上がっており、これは逆にスクリーンを取り外すことを困難にしていた。
内部のバッテリーは左右対称になっており、デバイスを持ったときの重量配分が均等である事が扱いやすさに寄与している事が分かる。バッテリーは39.99Wh(10,209mAh)が搭載されているようだが、これは第6世代の 40.33 Wh よりも若干小さい容量だ。M4チップの電力効率の向上や有機ELの消費電力低減により、M4 iPad Proは前モデルと同レベルの利用可能時間を確保している。
Apple自身から明らかにされているように、この薄型化に伴う冷却性能の確保のため、M4 iPad Proではいくつかの新しい冷却ソリューションが取られている。
内部には冷却のためのグラファイトシートが使われているが、加えてボディ背面中央にデカデカと付けられているAppleロゴが銅製になっていると言われていたが、実際に動画ではこのAppleロゴを削ることでこれが銅素材である事が確認できている。これを実現するため、M4チップは丁度ロゴの真下に来るように配置されていることも工夫の一つだろう。
格段に向上したバッテリー交換の難易度
iFixitによる分解動画でも、このM4 iPad Proが前モデルに比べて遥かに修理が簡単になった点が評価されている。具体的には、バッテリーにアクセスするために、以前の様に多くの部品を取り外す必要が無くなり、スクリーンを取り外してすぐにバッテリーにアクセス出来る点で格段の進化だとのことだ。
Apple Pencil Proは使い捨て
iFixitの動画では新たなApple Pencil Proについても分解が進められたが、こちらは相変わらず破壊せずに内部構造にアクセスすることは不可能であり、事実上修理は不可能な「使い捨てのデバイス」であるとのことだ。
Apple Pencil Proで実現された「バレルロール」機能を実現するためのジャイロスコープやMEMSセンサーも確認でき、この小さな筐体に組み込まれた精緻な技術に驚かされる。
タンデムOLEDはAppleの説明は誤解を招く
ちなみに、同時に公開されているiFixitのブログ投稿では、AppleがM4 iPad Proで搭載した「タンデムOLED」について詳細な解説が行われているので一読に値する。
iFitixによれば、iPad ProのタンデムOLEDスクリーンは2つのパネルを重ね合わせたものではなく、各OLEDダイオードに対してより多くのエレクトロルミネセンス層を持つ単一のOLED基板であると説明している。
Appleは発表会で、恐らく理解を助けるために説明を簡略化し、2枚のOLEDを重ねたかのように表現していたが、誤解を招くもののようだ。
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