Intelの第13世代および第14世代Core CPUに影響を及ぼしている不安定性の問題が、当初報告されていたハイエンドデスクトップPCから、ノートPCにまで拡大していることが明らかになった。何ヶ月も前から続いているこの問題は、該当のIntel製CPUがゲーミングや高負荷タスクの実行時に頻繁にクラッシュを引き起こす物であり、同社製品への信頼性の低下にも繋がりかねない深刻な事態となっている。
広がるIntel製CPUへの不安定性の懸念
Alderon Gamesの創設者Matthew Cassells氏は、既に自社のブログの中で、Intelの第13世代および第14世代CPUがほぼ100%に近い確率でクラッシュを経験しており、AMD製システムへの変更を余儀なくされていることを報告していた。だが、その後のRedditへの投稿で、同社が所有する複数のノートPCでもIntelの第13世代および第14世代CPUを搭載したモデルでクラッシュが発生していると報告している。Cassells氏は「デスクトップCPUの不具合よりもやや頻度は低いものの、同様のクラッシュが発生している」と述べている。
この問題は当初、Core i9やi7といったデスクトップ向けの高性能プロセッサに限定されると考えられていたが、現在では第13世代および第14世代のIntel製品全体に影響が及んでいる可能性が指摘されている。クラッシュの多くはUnreal Engine 5を使用したゲームの実行中に発生しているが、HandbrakeやCinebenchなどのCPU負荷の高いタスクでも同様の問題が報告されている。
さらに、データセンターサーバーにおいてもW680チップセットとRaptor Lake Core i9 CPUを組み合わせた構成で、約半数のゲームサーバーに同様の問題が発生していることがYouTuberのLevel1Techsによって報告されている。これらの広範囲に及ぶ影響は、問題の根本がLGA 1700ソケットにある可能性を示唆している。
また、未確認の情報ではあるが、Raptor Lake Core i9だけではなく、同世代のサーバー向けCPU「Emerald Rapids」Xeonにも同様の不具合が発生している可能性も報告されている。
Intelは6月下旬に電圧を制限するためのBIOS設定を推奨する声明を発表したが、これは問題を完全に解決するものではなかった。一部のマザーボードメーカーによる過度なデフォルトのオーバークロックが原因の一端である可能性も指摘されているが、ユーザーがクロック周波数を下げて運用するという試みの後も問題は継続している。
この状況は、Intelが今年後半に予定している新世代CPUの発売に向けて大きなプレッシャーとなっている。9月に発売予定のLunar LakeノートPC向けプロセッサや、10月に登場予定のArrow Lakeに対する懸念も高まっている。ただし、Arrow Lakeは新しいLGA 1851ソケットを採用するため、現在の問題から免れる可能性もある。
Intelは現在も調査を継続しているが、1ヶ月以上にわたって公式な声明を発表していない。業界や消費者からの圧力が高まる中、Intelがこの深刻な問題にどのように対応するかが注目されている。
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