Googleは、AIアシスタント「Gemini」の無料ユーザー向けに、個人の好みや設定を記憶する「保存された情報」機能の展開を開始した。この機能により、ユーザーは毎回同じ設定を伝える手間が省け、より個人向けに最適化された応答を受け取ることが可能になる。
「保存された情報」機能とは:ユーザー好みの記憶とパーソナライズ
「保存された情報」は、ユーザーの生活、仕事、その他の個人的な好みに関する詳細をGeminiに記憶させることができる機能だ。これらの設定情報は、新しいチャットを開始するたびにデフォルトで適用される。例えば、「ベジタリアンなので肉を含むレシピを提案しないでほしい」や「短く簡潔な回答を好む」といった好みを一度設定しておくことで、毎回同じ指示を繰り返す必要がなくなる。
9to5Googleが報じたところによると、この機能はまだ広く利用可能ではないが、ここ数日で一部の無料ユーザーに展開され始めており、現在は主にWeb版(gemini.google.com)で確認されているようだ。
この機能を使用した応答には、ソースとして「あなたの保存された情報」タグが付けられる。
利用方法と設定例
保存された情報機能を利用するには、gemini.google.com/saved-infoにアクセスするか、Geminiの設定メニューから「保存された情報」セクションを開く。Web版では左側のサイドパネルにある「設定」をタップすると、「保存された情報」オプションが表示される。モバイル版では、アカウントメニューの上部に表示されるとのことだが、現時点ではモバイル対応は限定的な様だ。
Googleが示した設定例には次のようなものがある:
- シンプルな言葉を使い、専門用語を避ける
- ベジタリアンなので肉を含むレシピを提案しないでほしい
- 応答の後にスペイン語の翻訳を含める
- 旅行計画時には1日あたりのコストを含める
- JavaScriptでしかコードを書けない
- 短く簡潔な回答を好む
これらの設定は、チャット中に直接Geminiに「これを覚えておいて」と伝えることでも登録可能だ。また、設定メニューからこの機能を完全に無効化することもできる。
Geminiの機能拡充と無料版・有料版の差別化
「保存された情報」機能は、2024年11月に最初にGemini Advancedサブスクライバー向けに導入された。Gemini Advancedは、Google Oneの「AIプレミアム」プランの一部として提供されている有料サービスである。そこから数か月を経て、この機能が無料ユーザーにも展開されるようになった。
これは、Googleが最近進めている「ドキュメントのアップロード」や「人物の画像生成」などのAdvanced機能の無料化の流れに沿ったものだ。
ただし、「保存された情報」は「Recall」機能とは異なる。Recall機能は、過去の議論を新しい議論で参照したり、以前のチャットを要約したり、過去に話し合ったプロジェクトを基に構築したりできる機能で、現在もGemini Advanced(有料版)ユーザーにのみ提供されている。
現在のところ、保存された情報機能は英語表記でのみ対応している。Googleの最近の段階的な展開パターンを考えると、今後数日から数週間でモバイルアプリにも機能が追加され、その後他の言語にも対応していくことが予想される。
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