Googleは、GmailにAIのGeminiを活用した新機能「カレンダーに追加(Add to Calendar)」ボタンを追加すると発表した。この機能により、メール内の会議や予定に関する情報をGeminiが自動検出し、ワンクリックでGoogleカレンダーにイベントを追加できるようになる。
機能の詳細と使い方
新機能は、Geminiがメール内のカレンダー関連コンテンツを自動的に検出すると動作する。メールスレッド上部に「カレンダーに追加(Add to Calendar)」ボタンが表示され、これをクリックするとGmailのサイドパネルが開き、カレンダーへのイベント追加が確認できるといった仕様だ。
この機能自体は、昨年秋にGoogleが導入したカレンダー関連機能の拡張版であり、よりシームレスな操作を実現したものとなっている。既にメール内容の要約ボタンが導入されているが、この機能はその隣に配置され、明示的なカレンダー招待が送られていなくても機能する。同様の機能は、Geminiパネルで予定作成を依頼することでも実現できるが、今回の機能は一歩進み、自動でイベントを検出してショートカットとして提供するものだ。
ただし、いくつかの制限事項もある:
- 現時点では英語とWeb版のGmailのみに対応
- レストラン予約やフライトなど、既に抽出されたイベントを含むメールには表示されない
- ボタンで作成されたカレンダーイベントには他のゲストは含まれない
- Geminiが間違った解釈をした場合は、サイドパネルの編集アイコンから修正が必要
利用条件と対象ユーザー
この新機能はプレミアムAIアクセスを持つGoogleアカウントのみ利用可能である。具体的には以下のユーザーが対象となる:
- Google Workspace Business(Starter, Standard, Plus)ユーザー
- Enterprise(Starter, Standard, Plus)ユーザー
- Gemini EducationまたはGemini Education Premiumアドオンを持つ顧客
- Google One AI Premiumプラン加入者
- 以前にGemini BusinessまたはGemini Enterpriseアドオンを購入した顧客
管理者向けには、「Workspaceアプリでサイドパネルのgeminiにアクセスするには、スマート機能とパーソナライゼーションが有効になっている必要がある」と公式ブログで説明されている。
AIアシスタント統合の拡大とその影響
この機能は、GoogleがGeminiをできるだけ多くの自社製品に統合するという戦略の一環だ。
既に検索結果やテキストメッセージなど多くの場所にGeminiが登場しており、Googleカレンダー自体にもGemini用の専用サイドパネルがテスト中であることが報告されている。
ただし、生成AIの限界も指摘されており、特に文脈を考慮できないことがあるため、複数のミーティング時間が議論されているメールスレッドでは、日付に混乱が生じることがあるようだ。
「カレンダーに追加(Add to Calendar)」機能のロールアウトは3月10日から開始され、全ユーザーへの配信完了は2025年4月中旬を予定している。
Sources
- Google Workspace Updates: Quickly add events to Google Calendar based on your emails with Gemini in Gmail