GoogleのAIチャットボット「Gemini」がiPhone向けの専用アプリとしてApp Storeで密かにテストされていることが明らかになった。これまでiOSユーザーはGoogle検索アプリ内の専用タブでしかGeminiを利用できなかったが、この動きはAppleのSiriに対する直接的な挑戦となる可能性がある。
新たな「Gemini」アプリの詳細
フィリピンのiPhoneユーザーによってApp Store上で発見された単独版Geminiアプリは、現時点で米国を含む主要市場では利用できない状態となっている。このアプリの最大の特徴は、既存のGoogle検索アプリでは提供されていない「Gemini Live」機能の搭載だ。
この新機能により、ユーザーはiPhoneを使用中でも音声でAIアシスタントと対話を続けることが可能となる。これはLive Activity機能を活用したもので、アプリを切り替えても会話を継続できるもので、まさに「Siriを置き換える」機能と言えるだろう。
現在のiOS版GeminiはGoogle検索アプリ内のタブとして提供されており、機能面ではgemini.google.comと同等のものとなっている。しかし、AndroidユーザーがすでにアクセスできるUI体験には及んでいない状況だ。
専用アプリの開発は、以下の戦略的意図があると考えられる:
- より迅速な機能アップデートの実現
- iPhoneユーザーへのアクセシビリティ向上
- SiriとのAIアシスタント競争における存在感の確保
Xenospectrum’s Take
Googleの今回の動きは、モバイルAIアシスタント市場での覇権を狙う本気度の表れと見るべきだろう。特にiPhoneユーザーの「ホーム画面」という最も価値の高いデジタル不動産への進出は、単なる機能追加以上の意味を持つ。
しかし、アプリの存続形態について興味深い疑問が残る。現行のGoogle検索アプリ内のGemini統合は維持されるのか、それとも完全な移行を目指すのか。これはGoogleのモバイル戦略全体に関わる重要な判断となるだろう。
Sources
- Reddit: Gemini on iPhone just launched.
- via 9to5Google: Standalone ‘Google Gemini’ app spotted for iPhone with Gemini Live
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