Google、AI生成画像を検出する新技術を検索エンジンに導入へ

2024年9月18日

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AI技術でOpenAIとしのぎを削るGoogleが、AI生成コンテンツの透明性向上に向けた新たな一歩を踏み出す。同社は、検索エンジンや広告システムにAI生成画像を検出する機能を実装する計画を発表し、急速に進化する人工知能技術によって生成されるコンテンツの真正性を確保し、ユーザーに信頼できる情報を提供するという同社の企業姿勢をアピールしている。

AI生成コンテンツの識別技術：C2PA

Googleが採用するのは、Coalition for Content Provenance and Authenticity（C2PA）が開発した技術標準だ。C2PAは、Intel、Apple、Microsoftなどの大手テクノロジー企業が2021年に設立した業界団体で、Googleも今年から運営委員会メンバーとして参加している。

C2PA技術の核心は、デジタルコンテンツの出所と編集履歴を追跡する「マニフェスト」と呼ばれるメタデータファイルにある。このマニフェストには、画像がAIによって生成されたかどうか、いつ作成されたか、どのような編集が加えられたかなどの情報が含まれる。さらに、改ざんを防ぐためのハッシュ技術も採用されており、高度なセキュリティを確保している。

Google検索への実装

Googleは、C2PA技術を「この画像について」機能に統合する計画だ。この機能は現在、Google画像検索、レンズ、かこって検索で利用可能で、画像に関する文脈情報を提供している。新たな実装により、ユーザーはC2PAメタデータを含む画像について、AIツールで作成または編集されたかどうかを確認できるようになる。

Googleの信頼性・安全性担当副社長であるLaurie Richardson氏は、公式ブログで次のように述べている。「コンテンツの出所を確立し、それを示すことは複雑な課題であり、製品やサービスに基づいてさまざまな考慮事項があります。オンライン上のすべてのコンテンツに対する万能の解決策はないことは承知していますが、持続可能で相互運用可能なソリューションを作成するには、業界の他社と協力することが不可欠です」。

DALL-Eで生成した画像のサンプル

広告システムへの統合とYouTubeへの展開

Googleは検索エンジンだけでなく、広告システムにもC2PAメタデータを統合する計画を明らかにしている。この取り組みの目的は、重要な広告ポリシーの執行を強化することにある。Richardson氏は、「時間をかけてこの取り組みを拡大し、C2PAシグナルを使用して主要なポリシーをどのように適用するかを検討していきます」と述べている。

さらに、GoogleはYouTubeにもC2PA情報を導入することを検討している。特に、カメラで撮影されたコンテンツに関するC2PA情報を視聴者に伝える方法を模索しており、今年後半にさらなる更新情報を提供する予定だ。

業界全体での取り組みの重要性

GoogleのC2PA採用は、AI生成コンテンツの透明性向上に向けた業界全体の動きの一環として位置付けられる。Amazon、Microsoft、Adobe、Arm、OpenAI、Intel、Truepicなど、多くの大手テクノロジー企業がC2PAを支持している。しかし、その採用はまだ緩慢な段階にあり、Googleの検索結果への統合は、この取り組みの最初の大規模なテストケースとなる。

だが、C2PA技術の広範な採用には、まだいくつかの課題が残されている。現在、LeicaとSonyの一部のカメラのみがC2PAのオープン技術標準をサポートしており、NikonとCanonも採用を表明しているものの、AppleとGoogleがiPhoneやAndroidデバイスにC2PAサポートを実装するかどうかは不明だ。

また、Adobe PhotoshopやLightroom以外の多くの画像編集ソフトウェアがC2PAデータの追加をサポートしていないことも課題となっている。さらに、C2PAデータが画像に追加された後、そのデータを閲覧する方法についても、多くの大手オンラインプラットフォームがラベル表示を提供していないという問題がある。

しかし、GoogleがAI生成コンテンツの検出と認証に積極的に取り組むことで、他の企業も同様の取り組みを加速させる可能性がある。これにより、デジタルコンテンツの信頼性と透明性が向上し、ユーザーがオンライン上の情報をより正確に評価できるようになることが期待される。