Intelは2021年に米国防総省と、重要システム分野で用いられるコンピュータチップを米国内で設計、製造する事を支援するためのRAMP-Cプログラム(Rapid Assured Microelectronics Prototypes)を締結したが、Intelは本日、RAMP-Cによって米国政府が初めて最先端のチップ製造技術にアクセスできるようになることを明らかにした。
国家安全保障アプリケーション用の18Aチップの製造は、IntelとDIB(防衛産業基盤)顧客とのパートナーシップの一部である。このリストには、契約企業のNorthrop Grumman社やBoeingが含まれている。また、RAMP-Cの下、Intelは、Microsoft、NVIDIA、IBM、Cadence、Synopsys、Boeing、Northrop Grummanなどの業界大手と協力し、同社の主要プロセス技術であるIntel 18A上でテストチップを開発・製造する半導体IPエコシステムを確立・実証することで、集積回路の設計・製造に関する商用および米国政府のニーズをサポートしている。
この技術はIntelの次世代プロセス・ノードであり、その前身である20Aプロセスは2024年に生産が開始される予定であると、同社幹部は以前に発表している。Intelは昨年末にも、CEOのPatrick Gelsinger氏が18Aプロセスが予定より前倒しであることを明らかにした際に、18Aに関する重要な詳細を共有している。RAMP-C契約の第3段階は、Intel 18Aプロセス技術、知的財産(IP)、エコシステム・ソリューションの準備態勢を強調している。
Gelsinger氏はまた、Intel 18Aチップの優れた電力管理能力をアピールし、TSMCの2ナノメートル技術に対抗するものだと強調した。Intel 3プロセスの後、インテルはチッププロセス技術の命名法をオングストロームレベルに移行した。
つまり、純粋にマーケティング名だけで比較すると、18Aチップ・プロセスは1.8nmに相当する。チップ製造では、回路が小さいほど電気伝導性と性能スループットが向上するため、小さいほど良い。現代のチップは、小さなスペースに何十億ものトランジスタを詰め込んでいるため、以前のチップに比べてより多くのデータを扱うことができる。
本日のリリースの一環として、国防総省のマイクロエレクトロニクス・エンジニアリング・リーダーであるDev Shenoy博士は、国防総省は「2025年にIntel 18Aチップのプロトタイプ生産を実証する」ことを期待しているとコメントしている。Intel FoundryのRAMP-Cの第3段階は、チップ設計のテープアウトに焦点を当てる。これは設計プロセスの最終段階であり、エンジニアは概念的な部分を終え、生産プロセスにおける高度なチップ製造マシンを導くマスクへと作業を移行する。
Intelは今月初め、同社初となる世界最先端のチップ製造マシンの電源を入れた。High-NA EUVリソグラフィ装置と呼ばれるこれらのマシンは、設計プロセスを簡素化することでチップの製造時間を短縮すると同社は発表した。
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