Intelは、世界で初めてASMLのHigh-NA EUVリソグラフィ装置を納入された企業となったが、同社はこの世界で最も複雑な工業機械の1つ「TWINSCAN EXE:5000」が、本日無事にオレゴン州ヒルズボロのDX1ファブにおいて組み立て完了した事を報告している。
マシンの組み立てが完了したことで、Intelは次のマイルストーンとして“ファーストライト”を掲げている。これは、TWINSCAN EXE:5000の光源とミラーがウェハー上に集光するように適切に調整された状態であり、マシンの光源が正常に動作するようになった時に達成される、組み立てとキャリブレーション工程における重要なステップとなる。
Intelは、このマシンが2024年末までに完全に稼働することを期待している。稼働が始まれば、同社は2025年初頭からこのスキャナーに独自のプロセスのマッピングを開始できるようになり、「Intel 14A」と呼ぶ次世代ノード向けウェハーの生産を開始する予定だ。オランダ本社のASMLのHigh-NA EUVリソグラフィ装置は3月にファーストライトを達成しており、次はIntelの番だ。
High-NA EUVリソグラフィ装置の使用により、Intelは、既存の装置(Low-NAリソグラフィ装置)よりも最大1.7倍小さいフィーチャを印刷することが可能となり、最終的には、既存のEUVマシンよりも小さなトランジスタにシュリンクすることができるようになる。既にASMLは昨日、オランダのフェルドホーフェンにある唯一の組立式High-NA装置であるパスファインディング装置が、フルフィールド・リソグラフィ・システムで初めて10nmの高密度ラインを印刷し、EUV装置の記録を打ち立てたと発表した。
新技術はオレゴンで開発され、その後グローバル・ファブに移転される。直近では、アイルランドのファブ34のIntel 4が同様の流れとなっている。DT(技術開発)チームはオレゴン州ヒルズボロに拠点を置いているため、Intelはすべての新技術を同様に進めている。最初のMeteor Lakeプロセッサーは、オレゴンでFoverosを使ってパッケージングされ、チップ自体もオレゴン、アイルランド、台湾のものだった。チップは現在、ニューメキシコの新ファブでFoverosパッケージとして加工される可能性が高い。最終的なパッケージングは、その後マレーシアで行われる予定だ。
Intelは、競合他社に先駆けてHigh-NAに移行することで、理論上は優位を保つことになる。約4億ドルとされる装置本体と、それを稼動させるための労力の両面で、かなりの初期費用がかかるが、Intelは、いち早く次世代プロセスへの移行を試み、それを達成する事を考えれば、長期的にはそれだけの価値があると考えている。
Source
コメント