Intelは、同社の第13世代及び第14世代Coreシリーズプロセッサで発生しているクラッシュについて、最近BIOSアップデートを提供し、新たな電力プロファイル「Intel Default Settings」の使用を求めているが、根本的な原因についてはつかめておらず、事態はまだ不明瞭なままだ。こうしたIntel製品に対する不安は、ライバルAMDへの移行を促している可能性が浮上してきた。
Intelは調査を続けているが原因をつかめず、不安な中での新製品発売
Intelの第13世代および第14世代Coreプロセッサ、具体的にはIntel Core i9-13900KとCore i9-14900Kについて、一部のゲームプレイにおいて高まる負荷の影響から、CPUがクラッシュしゲームが強制終了してしまうなどの不具合が出ていることが今年の4月に報告された。
Intelはその後調査を行い、この事態を引き起こす原因として、マザーボードの電力設定がIntelの想定した物とは異なり“無制限”の電力制限になっていることから引き起こされると報告し、その後すべての顧客に新たな設定「Intel Default Settings」を使用するよう推奨している。これは(ほとんどの場合)ブーストパワー消費「PL2」を253Wに、最大電流を307Aまたは400Aに制限するものである。しかし、これは根本的な解決にはならない可能性もあり、eTVB(Enhanced Thermal Velocity Boost)の修正をリリースしているが、これも原因の一部を修正する物であり、Intelも結局何が根本的な原因なのかいまだつかめていない状況だ。
こうした状況はもちろんIntelにとっては好ましくないもので、ライバルを利することになっているようだ。
ZDNet Koreaによると、韓国のDIY市場では、AMDのRyzen CPUがデスクトップチップ販売の55%以上を占めている。この切り替えの影響は2024年第2四半期の数字で最も顕著になるだろうが、Mercuryの第1四半期の数字でもRyzenデスクトップパーツへのシフトが見られるとのことだ。
ドイツでは、AMDのRyzenが販売されたプロセッサの約90%を占め、Intelはわずか10%にまで落ち込んでいるという。Intelチップの販売は2024年前半を通じて徐々に減少しているとのことだ。
Steam利用者の間でも同様の傾向が見られ、AMDのCPU市場シェアは今まで報告した中で最高の約35%に達しているようだ。
Intelが根本原因をつかめていない中での新製品発売は、ユーザーにとっても不安の大きいものであり、状況によってはAMDへの移行を促すことにもなりかねない。匿名でZDNet Koreaのインタビューに応じたマザーボードメーカー関係者は、「安定性の問題が明確に解決されなければ、消費者の不信感を高め、Intelが第4四半期に発売するデスクトップPC用の新プロセッサ『Arrow Lake』の販売量も減少するだろう」と述べている。
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