Apple社は、iOS 18.2の開発者向けベータ2(ビルド番号:22C5125e)をリリースした。今回のリリースでは、従来Apple Intelligence対応モデルに限定されていたベータ1から対象を拡大し、iOS 18が動作する全てのiPhoneモデルで利用可能となった。
Apple Intelligence機能が大幅拡充
iOS 18.2では、新たなApple Intelligence機能群が追加されている。これらの機能は、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、および全てのiPhone 16モデルで利用可能である。主な機能として、Image Playground、Genmoji、ChatGPT統合、作文ツールの拡張、Visual Intelligence、Image Wandが搭載された。Image Playgroundではテキスト入力による画像生成が可能となり、アニメーションとイラストの2つのスタイルを提供する。また、作文ツールには「Compose」ボタンによるトピック関連テキスト生成機能が追加された。
プロフェッショナル向けカメラコントロールの進化
iPhone 16向けに実装された新しいカメラコントロールシステムが、iOS 18.2ベータ2で大きく進化を遂げた。9月の発表会で登場が予告されていたがまだ実装されていなかった、写真撮影における重要な機能であるフォーカスと露出のロック機能が新たに実装された。
この新機能はカメラアプリの設定から有効化する必要があるが、一度有効にすれば直感的な操作が可能となる。具体的には、カメラコントロールボタンを軽く押し続けることで、現在のフォーカスポイントと露出値を即座にロックできる。これにより、移動する被写体や複雑な光環境下でも、意図した構図と露出を維持したまま撮影を続けることが可能となった。
特筆すべきは、このロック機能が指を離すまで維持される仕様となっている点である。これにより、一時的なロックが必要な場面では素早く解除することができ、長時間のロックが必要な場合は継続して維持することができる柔軟な運用が可能となっている。
強化された探す機能による紛失物探索の進化
「探す」機能は今回のアップデートで、より実用的かつ柔軟な紛失物探索システムへと進化を遂げた。従来のファミリー共有参加者やApple IDの共有設定をした信頼できる相手との共有に加え、状況に応じて第三者と一時的に位置情報を共有できる画期的な機能が追加された。
新たに実装された一時的な位置情報共有システムでは、特定のAirTagや追跡デバイスの位置情報を示す公開リンクを生成することが可能となった。このリンクは時限的な性質を持ち、数時間後に自動的に失効する設計となっている。これにより、例えば航空会社のスタッフと協力して預け入れ荷物を探すような具体的なユースケースに対応できるようになった。
プライバシーへの配慮も充実しており、リンクを共有する際には所有者のメールアドレスと電話番号が適切に表示される。また、リンクへのアクセス状況を監視する機能も備わっており、誰がいつ位置情報を確認したのかを把握することができる。さらに、必要に応じて共有を即座に停止することも可能となっている。
新機能の一つとして、AirTagが他のiPhoneに接触した際に所有者の連絡先情報を表示する機能も追加された。これにより、紛失物を発見した人が所有者に直接連絡を取ることが容易になり、紛失物の回収プロセスが大幅に効率化されることが期待される。
その他の改善点
メールアプリが刷新され、メールをPrimary(主要)、Transactions(取引)、Updates(更新)、Promotions(プロモーション)の4つのカテゴリーで分類可能となっている。
また、設定アプリのアイコンは、ユーザーのテーマ設定に応じた変化を見せており、ダークテーマに設定している場合は以下の様な暗い背景に馴染むようなデザインへと変更がなされている。
また、iOS 18.2 ベータ 2 では、iPhoneをMacのホットスポットとして使用しながら iPhone ミラーリングを使用できるようになった。
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