スペック表だけで比較すると、iPhoneはAndroidスマートフォンのフラッグシップモデルから劣る部分が多い。特に充電に関しては、例えばライバルSamsungのGalaxy S24シリーズは最大45W、一部のAndroidスマホは200Wという高出力での充電に対応しているが(これはこれでやり過ぎな気もするが)iPhone 15 Proは最高でも27Wの充電に留まっている。だが、新たな情報によれば、これがiPhone 16 Proモデルでは変わる可能性がありそうだ。
バッテリー容量の増加に応える形で高出力充電に対応か
ITHomeの報道によると、iPhone 16 ProとiPhone 16 Pro Maxは有線充電で最大40W、MagSafe無線充電で20Wの充電速度に対応する見込みだ。これは現行のiPhone 15シリーズが有線で最大27W、MagSafeで15Wの充電速度であることを考えると、大幅な改善といえる。
ただし、この変更は、バッテリー容量の増加に対応する可能性もでもあるという。噂によると、iPhone 16 Pro Maxのバッテリー容量は4,676mAhに増加し、現行モデルの4,422mAhから約5.7%の向上が見込まれている。iPhone 16 Proも3,355mAhと、わずかながら容量が増える見通しだ。
これと充電出力の増加とどういう関係があるのかという点だが、ITHomeはAppleがiPhone 13から現行のiPhone 15まで、一貫して同じ充電時間を維持している点を挙げている。つまり、iPhone 16 Pro Maxで大きくバッテリー容量が増えた分、充電時の電力を上げ、これまでと同様の充電時間に収まるようにしようという施策の一環なのではという指摘だ。
ただし、充電時の消費電力の向上はバッテリーの発熱や劣化の懸念も伴う。Appleはこれらの課題に対処するため、バッテリーのエネルギー密度を向上させる新技術を採用する可能性もある。Ming-Chi Kuo氏の以前の報告によると、iPhone 16のバッテリーはエネルギー密度が向上し、新しいステンレススチール製のバッテリーケースにより交換も容易になるという。
また、20WのMagSafe充電という点も気になるところだ。現行の純正MagSafe充電器は最大15Wでの充電にしか対応していない。もし噂が本当ならば、iPhone 16シリーズの発表に合わせて新たな20Wの高出力に対応したMagSafe充電器が登場する事になりそうだ。Qi2もより高出力なQi2.1の登場が予告されており、今後更なる充電器の登場が予想される。
充電速度の向上は、スマートフォン市場での競争力を維持するためにも重要だ。多くの競合他社がすでに50W以上の急速充電を採用している中、Appleの慎重なアプローチは一部のユーザーから批判を受けていた。今回の改善により、実際に40Wのフル充電によって充電時間が短縮されるのかは不明だが、もしそれが実現すれば、Appleはバッテリーもちと充電速度のバランスを取りつつ、ユーザーの要望に応えることができる。
iPhone 16シリーズには他にも多くの改良が噂されている。より薄いベゼル、垂直配置のカメラモジュール、専用のカメラハードウェアボタンなどが取り沙汰されている。また、Appleは今年のiPhone 16シリーズで1億台以上の販売を見込んでいるとの報道もある。
これらの情報はあくまで噂の段階であり、正式な発表までは変更される可能性がある。Appleの公式発表を待つとともに、今後の続報に注目していく必要があるだろう。
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