iPhone 16 Proは需要低迷？Plusモデルは意外なことに48%増の報告も

2024年9月16日

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Appleの最新フラッグシップスマートフォンについて、著名アナリストMing-Chi Kuo氏が独自に行ったiPhone 16シリーズの初期需要分析結果によると、iPhone 16 Proシリーズの需要が予想を下回る一方、標準モデル、特にiPhone 16 Plusの人気が急上昇していることが判明した。昨年とは全く状況が異なるこの予想外の需要動向は、Appleの今後の製品戦略に大きな影響を与える可能性がありそうだ。

iPhone 16シリーズの初期需要分析

Kuo氏の分析によると、iPhone 16シリーズの初回週末の予約販売台数は約3,700万台に達したとされる。しかし、この数字は前年のiPhone 15シリーズと比較して約12.7%の減少となっている。

モデル別の需要変動を見ると、興味深い傾向が浮かび上がる：

iPhone 16 Pro Max: 前年比16%減
iPhone 16 Pro: 前年比27%減
iPhone 16 Plus: 前年比48%増
iPhone 16: 前年比10%増

特筆すべきは、iPhone 16 Plusの大幅な需要増加だ。前モデルの不振を覆す48%増という驚異的な伸びを示しているが、前モデルが不振だった分、正常な範囲に収まったとも言えるかもしれない。一方、従来人気を誇っていたProシリーズは、予想外の需要低下に直面している。

この需要動向の変化には、複数の要因が考えられる。Kuo氏は、iPhone 16 Proシリーズの主要な売りとなるはずだった「Apple Intelligence」機能が発売時に利用できないことを、需要低迷の一因として指摘している。加えて、中国市場における競争激化もiPhoneの需要に影響を与えているという。

さらに、供給面での変化も注目される。iPhone 16 Pro Maxの出荷前生産量は、前年比106%増の約600万台に達したという。これは、5倍望遠カメラ（テトラプリズムカメラ）の生産歩留まりが向上したことが大きな要因とされている。しかし、この供給増加にもかかわらず、需要が期待を下回っていることは、Appleにとって懸念材料となりそうだ。

Appleの今後の戦略と市場への影響

iPhone 16シリーズの需要動向は、Appleの今後の製品戦略に大きな影響を与える可能性がある。Kuo氏は、現時点ではサプライチェーンの生産計画に大きな変更はないとしつつも、今後の展開に注目している。

Appleには、需要喚起のための機会がまだ残されている。「Apple Intelligence」機能の後日リリースや、年末商戦期のプロモーション展開が、iPhone 16シリーズの販売を後押しする可能性がある。これらの施策の効果は、iPhone需要の変化を見極める上で重要なポイントとなるだろう。

しかし、これらの施策が限定的な効果しか生まない場合、Appleは2025年にさらに積極的な製品戦略を展開する可能性があるとKuo氏は予測している。例えば、iPhone 16 Proへのテトラプリズムカメラの追加や、価格維持といった現在の戦略が初回予約販売に与えた影響は限定的だったとされる。この結果を受けて、Appleは製品ラインナップの見直しや、新機能の早期導入、価格戦略の変更などを検討する可能性がある。

この状況は、スマートフォン市場全体にも影響を与える可能性がある。Appleの動向は、競合他社の戦略にも影響を与えるため、業界全体が注目している。特に中国市場では、国内メーカーとの競争がさらに激化する可能性があり、Appleの対応策が注目される。

さらに、この需要動向の変化は、スマートフォン市場における消費者の嗜好の変化を示唆している可能性もある。高機能なProモデルよりも、適度な性能と手頃な価格帯の標準モデルやPlusモデルが支持を集めていることは、経済状況や技術の成熟度など、様々な要因が影響している可能性がある。