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Microsoft Edgeが高速化:最新版で最大9%の性能向上、実用速度も改善

Y Kobayashi

2025年4月12日

Microsoftは、Webブラウザ「Microsoft Edge」の最新バージョン134において、性能を最大9%向上させたと発表した。この改善は、業界標準ベンチマーク「Speedometer 3.0」による測定結果であり、実際の利用環境における起動時間やページの応答性も向上している。

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Edge 134、ベンチマークと実測で性能向上を証明

MicrosoftがEdgeの性能向上への継続的な取り組みを強調する中で、バージョン134は注目すべき成果を示した。同社の公式ブログによると、Edge 134は特定のベンチマークテストにおいて、顕著な速度向上を達成している。

Speedometer 3.0による測定:
Webアプリケーションの応答性を測定するために設計された業界標準ベンチマーク「Speedometer 3.0」を用いたテストでは、Edge 134は旧バージョンと比較して最大9%高速化した。Microsoftは具体的なテスト環境(Intel Core i5-13500 CPU搭載、Windows 11)でのスコア推移も公開しており、Edge 132の28.8、Edge 133の29.6に対し、Edge 134では32.7へと着実にスコアが向上していることを示している。これは、ブラウザのレンダリングエンジンにおける最適化が効果を発揮していることを示唆している。

実用性能における改善(フィールドテレメトリ):
ベンチマークスコアだけでなく、Microsoftは世界中の多様なハードウェアとWebサイトにおける実際の利用状況をシミュレートする「フィールドテレメトリ」データに基づいた改善も報告している。Edge 133から134へのアップデートにより、以下の具体的な改善が見られたとのことだ。

  • ナビゲーション時間: 1.7%短縮(リンククリック後のページ表示などがより速く)
  • 起動時間: 2%短縮(ブラウザの起動がより速く)
  • Webページの応答性: 5%~7%向上(ボタンクリック、スクロール、文字入力などへの反応がより機敏に)

これらの数値は、ユーザーが日常的なブラウジングで体感できる速度向上、すなわち「待ち時間の短縮」と「よりスムーズな操作感」に直結するものである。

継続的な最適化:ChromiumエンジンとEdge独自の改良

今回の性能向上は、Microsoft Edgeとその基盤であるChromiumレンダリングエンジン双方に対して継続的に行われているコード変更と最適化の結果であるとMicrosoftは説明している。同社は特に、WindowsおよびmacOS上の様々なハードウェア構成における「実世界のパフォーマンス」向上に焦点を当てていると強調する。

Microsoft Edgeはリリース当初、Google Chromeよりも高速であると評価されていた時期もあった。しかし、時間の経過とともに機能追加が進む中で、一部のユーザーからは動作の重さを指摘する声も上がっていた。特に、拡張機能メニューやコレクションといったUI(ユーザーインターフェース)要素の反応速度が課題となっていた時期もある。

Microsoftはこの問題を認識しており、UI要素の応答性改善にも取り組んできた。2024年2月のブログ投稿では、ダウンロード、履歴、InPrivate(プライベートブラウジング)の新規タブ表示など、ブラウザ内の14の異なるUI領域が平均して40%高速化されたと報告されている。今回のEdge 134におけるコアエンジンの性能向上は、こうしたUI改善に続く、より根本的な高速化への取り組みと言えるだろう。

ただし、Microsoftも指摘するように、最終的なユーザー体験は、使用しているデバイスのハードウェア性能、同時に実行されている他のアプリケーション、個々のブラウジング習慣など、様々な要因に影響される。それでも、バージョン134における改善は、多くのユーザーにとってより快適なブラウジング体験をもたらす可能性が高い。

これらの性能向上は、Microsoft Edgeバージョン134以降で利用可能だ。


Sources

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