Microsoftは、AI開発に大きく賭け、今のところ成功しているように見えるが、同社は同時にそうしたAIを用いた汎用ロボット開発にも注目しており、今回新たな動きとして、人型ロボットPhoenixの開発元である「Sanctuary AI」と協業することを明らかにした。
2018年に創業されたSanctuary AIは、同社のAI制御システム「Carbon」を採用したロボット「Phoenix」を開発してきた。
今回の新たな提携により、Sanctuary AIはMicrosoftのAzureクラウドサービスを“トレーニング、推論、ネットワーキング、ストレージ”に利用できるようになる。両社の金銭的な条件などは明らかになっていない。
Microsoft Researchのコーポレート・ヴァイス・プレジデント兼マネージング・ディレクターであるAshley Llorens氏は、「私たちはSanctuary AIと協力して、推論、プランニング、人間とエージェントのコラボレーションといった分野におけるAIモデルのイノベーションと具現化AIの研究を加速できることをうれしく思います」と、述べている。
Sanctuary AIとの提携は、AI開発の究極の目的の1つに迫る物だ。真に人間を代替するロボットは、その動きを再現するために、その頭脳もまた人間を模倣しなければならない。そしてそのためには高度なAIが必要だ。SFの世界の話ではあるが、人類の夢の一つでもあるだろう。
Sanctuary AIの共同設立者でありCEOのGeordie Rose氏は、「私たちと同じように考え、私たちを理解するシステムを作ることは、私たちがこれから直面する最大の文明レベルの技術的問題であり、チャンスでもあります。このような挑戦には、世界最高の頭脳が協力する必要があります。私たちは、Microsoftと協力して、汎用ロボットに力を与える次世代のAIモデルを解き放つことに興奮しています」と、述べている。
今回のパートナーシップは、MicrosoftのAI開発へのコミットメントを深め、その仕様に合わせてハードウェアを設計できるパートナーを提供する物となるだろう。
Microsoftはこれ以外にも、同様のヒューマノイドロボットを開発しているFigure社にも多額の出資をしている事で知られている。MicrosoftのAIパートナーであるOpenAIも、Figureと共に、その競合の1Xに独自の投資を行っている。
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