NVIDIAの次世代GPU「RTX 5080」の価格について、オーストラリアの小売店の情報から前モデルから大幅な価格上昇が見られる可能性が浮上した。リークされたのは同国での小売店における売価となるが、それによれば、前世代のRTX 4080(メーカー希望小売価格)から大幅な値上げの可能性があるようだ。2025年1月のCESでの正式発表が予定されている同製品は、新世代メモリ規格GDDR7の採用など、大幅な性能向上を実現する一方で、高価格化が懸念材料となっている。
NVIDIA RTX 5080の価格と仕様の詳細
オーストラリアの小売店に掲載された情報によれば、ASUSのDUALモデルとなるRTX 5080の想定メーカー希望小売価格は2,544オーストラリアドル(米ドル:1,587ドル、日本円:約25万円)に設定される見込みのようだ。このDUALモデルはトリプルファン構成を採用しており、ROG STRIXなどの最上位モデルと比較すると中位に位置づけられる製品だ。更に発売初期には若干の「プレミアム」価格が上乗せされ、市場の需給を反映した価格上昇が予想され、2800オーストラリアドル(日本円:275,000円)になる可能性があると言う。これは前世代のRTX 4080と比較すると大幅な価格上昇となり、前世代のフラッグシップモデルRTX 4090に匹敵する価格となる。
技術仕様に目を向けると、RTX 5080はGB203 GPUコアを中核に据え、最新世代のGDDR7メモリを16GB搭載する。このGDDR7メモリは32Gbpsという驚異的な動作速度を実現する。これは現行のRTX 4080が採用する23Gbps GDDR6Xと比較して大幅な性能向上を意味する。具体的なメモリ帯域幅で見ると、RTX 4080が736GB/sであるのに対し、RTX 5080では理論上でこれを大きく上回ることになる。このメモリ帯域幅の拡大は、高解像度ゲーミングやAIワークロードにおいて特に重要な意味を持つ。
この大幅な価格上昇の主たる要因として、高価なGDDR7メモリの採用が考えられる。GDDR7への移行は製造コストを押し上げる「高価な賭け」となる。しかしこの投資は、次世代のゲーミング体験とAI処理能力の向上には不可欠なものとされている。価格上昇は市場に大きな影響を与える可能性があるものの、技術的な進歩という観点からは必然的な選択であったと言えるだろう。
なお、これらの仕様情報は過去のリーク情報とも整合性を持っており、信頼性は比較的高いと考えられる。ただし、正式発表までは暫定的な情報として扱う必要があり、最終的な仕様や価格は変更される可能性も残されている。また、Asusのオーバークロックされた製品であり、NVIDIAの希望小売価格よりは若干高めに設定されるであろうこと、オーストラリアの税制も日本とは異なっていることも考慮に入れる必要があるだろう。
発売時期と市場への影響
Jensen Huang CEOは2025年1月のCESで基調講演を行い、RTX 5090、5080、5070を含むBlackwellアーキテクチャ採用の次世代GPUラインナップを発表する見込みだ。デスクトップとノートPC向けの両バリアントが同時に公開される予定である。
RTX 5080は、CESから数週間後の1月中旬には販売が開始される見通しだ。これはNVIDIAがBlackwell AI向けハードウェアの出荷に遅れを見せている中での、比較的早期の市場投入となる。フラッグシップモデルとなるRTX 5090は1月末から2月初旬の発売が予定されており、一部の情報では価格が40万円超えの可能性も示唆されている。
Xenospectrum’s Take
この価格設定は、半導体業界における需要の高まりとNVIDIAの市場支配力を如実に示している。GDDR7メモリの採用による製造コストの上昇は理解できるものの、25万円超えという価格設定は、ハイエンドゲーミングPCの構築コストを更に押し上げることになるだろう。
特に注目すべきは、この価格帯がかつてはフラッグシップモデルの領域だった点だ。NVIDIAは明らかに製品階層の再定義を図っており、これはゲーミングGPU市場の二極化を加速させる可能性がある。今後発表される5070などの中位モデルの価格設定が、より広いゲーマー層にとって重要な指標となるだろう。
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