NVIDIAが2025年1月のCES開催に合わせ、次世代GPU「GeForce RTX 5000シリーズ」の発表を強く示唆する大規模なマーケティングキャンペーンを開始した。The Game Awards 2024で公開された『The Witcher 4』のシネマティックトレーラーには「未発表のGeForce RTX GPU」での制作が明記され、同時に開始された「GeForce LAN 50」など、複数の施策が新製品発表への期待を高めている。
戦略的な発表タイミングと複数のティザー展開
NVIDIAは周到に計画された一連のマーケティング施策を展開している。その中心となるのが、1月4日から開始される「GeForce LAN 50」だ。この50時間に及ぶゲーミングマラソンイベントは、Las Vegas、Berlin、Taipei、Beijingでの実地開催に加え、オンラインでの参加も可能となっている。
イベント名に含まれる「50」という数字は、明らかに次世代RTX 5000シリーズを示唆している。さらに注目すべきは、このイベントの終了時刻がJensen Huang CEOによるCESキーノートの開始時刻と完全に一致することだ。Huangが直接CESでプレゼンテーションを行うのは2019年以来となり、この事実だけでも大規模な製品発表が予定されていることを強く示している。
Blackwell アーキテクチャの詳細が徐々に明らかに
リーク情報によると、RTX 5000シリーズの中核となるBlackwellアーキテクチャは、TSMCの4NP(5nmグレード)プロセスを採用し、現行の4Nと比較して30%の高密度化を実現しているとされる。
フラッグシップモデルとなるRTX 5090は、GB202 GPUを搭載し、21,760基のCUDAコアを実装。32GBのGDDR7メモリと512ビットインターフェースを備え、消費電力は約600Wに達する見込みだ。一方、RTX 5080はGB203 GPUを採用し、10,752基のCUDAコアと16GBのメモリを搭載、消費電力は400Wとされている。
Xenospectrum’s Take
NVIDIAの今回の製品発表アプローチは、かなり興味深い展開を見せている。『The Witcher 4』という大型タイトルとの連携や、グローバルなLANパーティの開催など、単なる製品発表を超えた「お祭り」的な様相を呈している。
しかし、気になるのは電力消費量だ。RTX 5090の600Wという仕様は、昨今のサステナビリティへの関心の高まりとは逆行している。また、AMDが次世代フラッグシップでの競合を避けると表明している状況下で、価格設定がどうなるかも懸念材料だ。
NVIDIAのAIビジネスが好調な中、ゲーミングGPU市場でも独占的な地位を確立しようとする姿勢が見て取れる。だが、これは諸刃の剣となる可能性もある。過度な価格設定は、長期的には市場の分断やユーザーの離反を招きかねない。Jensen Huang CEOの登壇で、これらの懸念にどう応えるのか、注目したい。
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