ChatGPTの開発元であるOpenAIが、高額ドメインとして知られるChat.comを取得したことが明らかになった。同ドメインは現在、同社の主力製品であるChatGPTへリダイレクトされている。
株式での高額取引が成立
Chat.comの直近の所有者であるHubSpotの共同設立者でCTOのDharmesh Shah氏は、2023年に1550万ドル(24億円)で同ドメインを取得していた。Shah氏はXへの投稿で、OpenAIへの売却を確認。さらに支払いが株式で行われたことを示唆している。
取引額は非公表となっているものの、Shah氏は購入価格を上回る金額で売却したことを認めている。なお、この取引は公開されているドメイン売買取引の中で歴史的にトップ2に入る規模となっている。
Chat.comは1996年9月に最初の登録が行われた歴史的なドメインである。Shah氏は取得の理由について「チャットベースのUXが次世代のソフトウェアの大きなトレンドになる」との見方を示していた。
ブランド戦略の新展開
現在、Chat.comはChatGPTへのリダイレクトとして機能しているが、これはOpenAIの最近のブランド戦略の変更と連動している可能性がある。同社は2023年9月に新しい推論モデル「o1」シリーズを発表し、よりシンプルな命名規則への移行を示唆していた。
Xenospectrum’s Take
この買収は、OpenAIの長期的なブランド戦略における重要な一手と見るべきだ。66億ドルの資金調達を実施したOpenAIにとって、1000万ドル超の投資は決して大きな負担ではない。
注目すべきは支払い方法が株式であった点だ。これは、Shah氏がOpenAIの将来性に強い期待を寄せていることを示唆している。また、「GPT」を外したシンプルなドメインの採用は、AIチャットの一般化を見据えた戦略的な判断と考えられる。
同社が近年進めているブランディングの簡素化と合わせて考えると、Chat.comの取得は単なるドメイン投資以上の意味を持つ可能性が高い。今後、OpenAIがこのドメインをどのように活用していくのか、業界の注目が集まるだろう。
Source
- TecnCrunch: OpenAI acquired Chat.com
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