OpenAIが研究・教育促進のための「NextGenAI」コンソーシアムを15機関と設立、5000万ドル投資

2025年3月5日

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OpenAIは米英の主要15研究機関と提携し、AI研究と教育促進を目的とする「NextGenAI」コンソーシアムを設立した。同社は研究助成金、計算資源、API利用権として5000万ドルを投資し、研究者や学生・教育者を支援する。このコンソーシアムは医療、教育、図書館サービスなど幅広い分野でAIの可能性を追求する取り組みだ。

NextGenAIの概要と参加機関

OpenAIが立ち上げたNextGenAIは、AIを活用して研究のブレークスルーを加速し、教育を変革することを目的としている。OpenAIはこのイニシアチブの一環として、研究助成金、計算資源、API利用権として5000万ドルを提供することを約束した。

NextGenAIの創設パートナーには、カリフォルニア工科大学（Caltech）、カリフォルニア州立大学システム、デューク大学、ジョージア大学、ハーバード大学、ハワード大学、マサチューセッツ工科大学（MIT）、ミシガン大学、ミシシッピ大学、オハイオ州立大学、オックスフォード大学、Sciences Po、テキサスA&M大学、ボストン小児病院、ボストン公共図書館、そしてOpenAI自身が含まれる。

OpenAIの最高執行責任者（COO）Brad Lightcap氏は「AIの分野は、学術コミュニティでの何十年もの取り組みなしには今日の位置にはなかったでしょう。誰もが恩恵を受けるAIを構築するためには、継続的なコラボレーションが不可欠です」と述べている。

医療・科学研究でのAI活用

コンソーシアムの各機関は既に様々な高インパクトな研究プロジェクトを開始している。

ハーバード大学とボストン小児病院の研究者たちは、OpenAIのツールとNextGenAIの資金を活用して、患者が正しい診断を得るまでの時間を短縮し、特に希少な孤児疾患に対する診断改善に取り組んでいる。さらに、医療意思決定における人間の価値観とAIの整合性向上も研究している。

オハイオ州立大学はデジタルヘルス、先端治療、製造業の分野でAIを活用。同大学のPeter J. Mohler執行副学長は「オハイオ州立大学は、AIの恩恵に対する学際的アプローチの最前線にあります。このパートナーシップにより、医学、製造、コンピューティングなどの分野でさらに画期的な発見と進歩を推進できるでしょう」と説明している。

デューク大学の科学者たちは、AIがもたらす恩恵が最も大きい科学分野を特定するメタサイエンス研究を推進している。

次世代のためのAI教育イニシアチブ

教育分野では、テキサスA&Mが「生成AIリテラシーイニシアチブ」を通じて学術環境における責任あるAI使用の実践的トレーニングを提供している。同大学のRobert H. Bishop博士は「急速に進化する生成人工知能の分野において、最先端の知識とスキルで学術コミュニティを強化することを可能にするOpenAIとの協力を楽しみにしています」とコメントしている。

MITの学生や教員はOpenAIのAPIと計算資源を活用し、独自のAIモデルのトレーニングやファインチューニング、新しいアプリケーションの開発を進めている。

ハワード大学ではAIを活用したカリキュラム開発、新しい教育手法の実験、大学運営の改善に取り組み、学生に実践的なAI体験を提供することで未来のリーダー育成を目指している。

文化遺産と知識アクセスの革新

オックスフォード大学のボドリアン図書館では、希少なテキストをデジタル化し、OpenAIのAPIを使用して転写することで、何世紀も前の知識を世界中の学者が検索できるようにしている。同大学のAnne Trefethen教授は「この新たなコラボレーションは、研究を充実させ、AI機能を拡張し、スキル開発を促進する興味深い一歩です」と述べている。

ミシシッピ大学は教育、研究、サービスという中核的使命にAIを統合する新しい方法を模索している。

アメリカ初の大規模な無料市立公共図書館であるボストン公共図書館も、パブリックドメインの資料をデジタル化し、AIを活用して多様な利用者の情報アクセスを改善する取り組みを行っている。